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「不帰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不帰の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
泉へ八時間、道は少しわかり難い所もありますが温泉までなら楽です。第四日、百貫山―不帰岳―清水岳等を経て白馬小屋へ十二時間くらい、ここは経験がありませんが、途中に....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
者であった。彼女は、恋する男に捨てられて、絶望のあまり健康を害し、内科に入院して不帰の客となったのだが、生前彼女の口癖のように、「私の心臓にはきっと大きなひびが....
斗南先生」より 著者:中島敦
こんな詩を作った。 毎我出門挽吾衣 翁々此去復何時 今日睦児出門去 千年万年終不帰 睦子とはその妹の名である。三造には漢詩の巧拙は分らなかった。従って伯父....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
あった。その時君は、貴重なる蒐集品を救いだすため、火宅へ取って返したまま、永久に不帰の人となったそうだ。君の肖像と事蹟とは、米国の親友お札博士の名で日本に知られ....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
。 我寄愁心与明月。 随風直到夜郎西。 詩人王維も詠ったっけ。―― 花外江頭坐不帰。 水晶宮殿転霏微。 桃花細逐楊花落。 黄鳥時兼白鳥飛。 が、今は楊柳の花....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
れました。私はまさかとは思いましたが、果してこの亀岡氏のいった如く、師匠はその晩不帰の客となられたのでありました。 亀岡氏の番頭さんというのは、師匠の家の隣り....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
の自宅へ還った。が、間もなく天、同君に幸いせずついに上に記したように、不幸にして不帰の客となった。 同君は晩年には大いに菌類を研究して新種へ命名し、世に発表す....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
画工につきて親しくその薫陶《くんとう》を受けたる門人の明治に残りしもの相前後して不帰の客となるに従ひ一歩々々滅亡の期を早めたり。明治の浮世絵は実に北斎国芳国貞ら....
西航日録」より 著者:井上円了
みなこれを卜筮に問うを常とし、病人あるも医師によらずして卜者にたずね、不幸にして不帰の客となれば、これ天命なりとしてあきらむるなり。けだし、その国に医術の発達せ....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
な線を描く。其処から一段高く破風を抜き上げて、大伽藍の岩の屋根を見せているのが奥不帰岳の連嶂だ。雪の漆喰がボロボロに剥げ落ちて、赭茶化た石の瓦に偃松の古苔が蒼黝....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
湧き出す湯を水車仕掛のポンプで汲み上げて、樋で導くようになっている。右手の奥には不帰谷の落囗が岩壁に穿った洞門のように開いて、細い流を注いでいる。周囲が余り峻酷....