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不平
「不平は〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不平はの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ました。すると大殿様はいつものように鷹揚《おうよう》に御笑いになりながら、「そう
不平は云わぬものじゃ。やがてはその譜も手にはいる時節があるであろう。」と、やさし....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
っとも僕の目にうつらなくなった。女より食物だね。好きな物を食ってさえいれあ僕には
不平はない。 A 殊勝な事を言う。それでは今度の下宿はうまい物を食わせるのか。 ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
くれ」 腹立つ者、無理言う者、呟く者、罵《ののし》る者、迷惑せる者、乗り合いの
不平は奴の一身に湊《あつ》まれり。渠はさんざんに苛《さいな》まれてついに涙ぐみ、....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
治上表面の幸福を得ることあたわざるものは、退きて宗教上裏面の快楽を求め、法律上の
不平は流れて宗教内の満足となり、不満不平の人をして、おのおの安心立命の境裏に住せ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
大阪の本社で冷遇されて往々没書となったのは、二葉亭の身にすれば苦辛を認められない
不平は道理であるが、新聞記事としては止むを得なかったのだ。加うるに東京出張員とは....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
時、他の一人は、前者のように智能や美貌は持たないが、物資に恵まれて居る為めにその
不平はともかくも補われて居る。その時、その物資を後者から奪って前者との均等を行っ....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
的)だ、ひいてフランスは世界の楽園だ、自分等は世界一の幸福者だ、唯一つの不幸は、
不平は我々の国が世界一の楽園である為め、世界中から狙われて居る事だ。● だから稼....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
言う人さえあります。 長い一生の収支決算まで待たなくても、現在、その日その日に
不平は随分あることです。「これほど勉強しているのに、ちっとも認めてはくれない」「....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
であることを、彼女は察知したのだった。下院は事の成行きを知って感激してしまった。
不平は讃美に変わった。一つの感情は国土に氾濫して、女王に御礼を奏上する下院代表た....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
ハハハ』かれも笑った。 不平と猜忌と高慢とですごく光った目が、高慢は半ばくじけ
不平は酒にのまれ、不平なき猜忌は『野卑』に染まり、今や怪しく濁って、多少血走って....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
。妹は可憐にも私のために山の淋しさも寒さも燈火のなつかしさも犠牲にする気で少しも
不平はいわぬのみか、かえってあなたが好きなら山におろうといいました。けれどその翌....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
たちに対しては正しく、公平であり、道の師範であった。私は愛慕と感謝があるだけで、
不平はひとつも持っていない。子供に対する小学校の先生程神の如きものは今の社会にも....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
。 然し今こゝに古我判事の周到なる訊問振りに直面すると、法の遅延などと云う事に
不平は洩らせなくなる。もとより古我氏のみならず、すべての判官はいずれも古我氏に優....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
別なり関係なし、源太がしようは知るとき知れ悟らする時悟らせくれんと、裏にいよいよ
不平は懐けど露塵ほども外には出さず、義理の挨拶見事に済ましてすぐその足を感応寺に....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
のですが、この事件では、まったくフレッシュな現場を提供されたので、いつものような
不平は言えません。 不平が言えなかった代わりに、俊夫君は、一目で、「難事件にぶ....