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不知不識
「不知不識〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不知不識の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
があるにちがいないとなぜか固く信じたことや――そんなことを思い出しながら彼の眼は
不知不識《しらずしらず》、もしやという期待で白い人影をその闇のなかに探しているの....
「冬の日」より 著者:梶井基次郎
》の幽霊のような影が写っていた。向日性を持った、もやしのように蒼白い堯の触手は、
不知不識《しらずしらず》その灰色した木造家屋の方へ伸びて行って、そこに滲《にじ》....
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
た。 最初の言葉でその人は私の方を振り向きました。「のっぺらぽー」そんなことを
不知不識《しらずしらず》の間に思っていましたので、それは私にとって非常に怖ろしい....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
ながら、その娘の死んでいった淋《さび》しい気持などを思い遣《や》っているうちに、
不知不識《しらずしらず》の間にすっかり自分の気持が便《たよ》りない変な気持になっ....
「蒼穹」より 著者:梶井基次郎
へだてた杉山の上から青空の透いて見えるほど淡い雲が絶えず湧いて来るのを見たとき、
不知不識《しらずしらず》そのなかへ吸い込まれて行った。湧き出て来る雲は見る見る日....
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
その響きを利用していい音楽を聴いてやろうと企てたことがありました。そんなことから
不知不識《しらずしらず》に自分を不快にする敵を作っていた訳です。「あれをやろう」....
「さようなら」より 著者:田中英光
、相手の人間をいたずらに傷つけ殺し軽蔑し憎悪することで、自分たちの高貴な人間性も
不知不識に失なっていた。ぼくたちは、中国兵の捕虜に自分たちの墓穴を掘らせてから、....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
っていた。友達としては堅くるしい、ほんの少し身分の違う男女間の言葉|遣いに復一は
不知不識自分を馴らしていた。 「妙なところを散歩に註文するのね。それではいいわ。....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
その体力、恐らくはかれら気で気を医し、むつかしく言えば所謂精神療法の一助として、
不知不識にこの定斎を用い来たったのであろう。 故にかれらは己の病いにもこれを応....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
える。 全く、気の毒にも、今の若い大阪人は、心と言葉と発音の不調和から、日々|
不知不識の間に、どれだけ多くの、いらない気兼ねをして見たり、かんしゃくを起したり....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
先でこすってみた。それから気が付いて考えてみると、近頃少し細かい字を見る時には、
不知不識眼を細くするような習慣が生じているのであった。 去年の夏子供が縁日で松....
「書簡(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
かで、しっかり必然的につながっているように思われ、それを掘込んで行くときに結局|
不知不識に自分自身の体験の世界に分け入ってその世界の中でそれに相当するつながりを....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ただ自ずと来り結ぶ機縁により、ただその縁に従うて力一杯の努力をいたしますうちに、
不知不識ここに至ったものであります。 その機会というようなものは、いつも初めは....
「想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
つける事が出来たのだ。しかしこの事は殆ど無自覚的にされていた事なので、時とすると
不知不識の間にしなくてもいい写実に引っかかって物の表相に捕われ無駄な力を入れ、出....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ントンの横隊戦術に敗れた)、決して仏国が好んで採用したものでもない。自然の要求が
不知不識の間にここに至らしめたのである。「散兵は単なる応急策に過ぎなかった。余り....