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「不知火の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不知火のの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
南地心中」より 著者:泉鏡花
中に、紅の袴一人々々、点々として皆|留まった。 と見ると、雲の黒き下に、次第に不知火の消え行く光景。行方も分かぬ三人に、遠く遠く前途を示す、それが光なき十一の....
迷信解」より 著者:井上円了
理的妖怪中、人の最も多く奇怪とするものは怪火である。怪火とは、竜灯、鬼火、狐火、不知火のごとき、火のあるまじき所に火光を見る類を申すのじゃ。これにも偽怪、誤怪に....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
で、すこぶる軽快な弁舌で次のごとき怪談を説きはじめた。 僕の郷里は九州で、かの不知火の名所に近いところだ。僕の生れた町には川らしい川もないが、町から一里ほど離....
丹下左膳」より 著者:林不忘
らなみだには眼が曇って、このお蓮さまの正体を見やぶることができなかった。 十方不知火の正流は、ここに乗っ奪《と》られようという危機である。 多勢が四方から、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ないのかい? 父上!」 三 遠くのチョビ安の声に、鳴りをしずめて聞きいっていた不知火の連中は、 「伊賀のやつらは、あの子供をそのままにして行ってしまったとみえ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
おりなものが、ほどなく敵の脚いろに見え出していた。――次第にその舟影は遠ざかり、不知火の一ツ一ツは算をみだして消え果てた。あとはまったく元どおりな海しじまだった....
私本太平記」より 著者:吉川英治
あるが、一夜、有年の高地から赤穂沖の火光をながめた脇屋義助も、また「あっ」とその不知火のごとき兵船の数に驚き――一気に斑鳩まで駈けとおして来て、兄の義貞へ、 「....