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不確実
「不確実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不確実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
この五十川女史のまあまあというような不思議なあいまいな切り盛りで、木村は、どこか
不確実ではあるが、ともかく葉子を妻としうる保障を握ったのだった。
五
郵船....
「新生」より 著者:島崎藤村
気に成った。引越早々の混雑の中で、彼は四つの根を庭に埋めて置いたが、その埋め方の
不確実《ふたしか》なのが気に成った。何となくその根のつくと、つかないとが、これか....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
でも明らかである。すなわち、『私は天圏の円運動の計算に関するこれらの数理的学説の
不確実な点について永い間考えてみた末に、これらの哲学者らがこの円運動について些細....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
あがっていたが、まもなく薄れた。 ◯七時の大本営発表「五十機来襲、十四機撃墜(内
不確実五機)、損害を与えたるもの二十七機、わが損害四機(体当たり二機を含む)」相....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
に北シナに渡ってシナ禅宗の第一祖となった。これらの祖師やその教理の歴史については
不確実なところが多い。禅を哲学的に見れば昔の禅学は一方において那伽閼剌樹那(二四....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にかけるものもなかった。初めて浪士らが上州にはいったと聞いた時にも、真偽のほどは
不確実で、なお相去ること数十里の隔たりがあった。諏訪藩ではまだまだ心を許していた....
「橋」より 著者:池谷信三郎
。 問。人間は自分を不幸にすることのために、努力するものではないと思うが。 答。
不確実の幸福は確実な不幸より、もっと不幸であろうと思います。 問。被告の知ってい....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
、ほんとうに命がけで量を三倍にしなければならなかった。そして、たまにあるこういう
不確実性が、これまでの私の満足な気持に唯一の暗い影を投げていたのであった。ところ....
「神経衰弱的野球美学論」より 著者:坂口安吾
ら、ファウルがひどく気にかゝった。ネット裏だから心配はないようなものだが、視覚が
不確実であるから、どうにも怯えて仕方がない。他人のことも気にかゝる。一塁や三塁よ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
手につかない。わたしは急激に運命論者にならんとしつつある。風や氷のような、とかく
不確実な要素のものばかりを取り扱っていると、人間もしまいにはそうならざるを得ない....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
が確かに有力なる原因の一つであった。 こう列べてみると、その頃の各劇場の初日が
不確実であったのも、狂言が往々変更されたのも、興行者としてはまことにやむをえない....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
れた関野君の推定は、何ら科学的根拠のあったものではなかった。しかるに関野君がその
不確実なるべき仮定の尺度を以て、最も精密なるべき計算の基礎とせられた事は、いささ....
「城」より 著者:カフカフランツ
いつでも手紙の件をいろいろ話し合い、確実なこまかい一つ一つのことやありとあらゆる
不確実な可能性もあれやこれやと話し合ったのは、きわめて当然なことでした。また、う....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の特長は他人とくらべてどういうところにあるか、それを自覚し見定めることの確実さ、
不確実さによってその人の一生には無駄がなく、随って有意義に一生を使い得ると思いま....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
記している。七年戦争につき有名な著述をした英人ロイドは一七八○年「賢明なる将軍は
不確実なる会戦を試みる前に常に地形、陣地、陣営および行軍に関する軍事学をもって自....