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「不調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
こはこの種の建物には珍しく、窓掛、絨氈《じゅうたん》、ピアノ、油絵などで、甚しい不調和もなく装飾されていた。しかもそのピアノの上には、季節にはまだ早すぎる薔薇《....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
にそのたびにきっと飛び上った。こう言う彼等の戯《たわむ》れはこの寂しい残暑の渚と不調和に感ずるほど花やかに見えた。それは実際人間よりも蝶《ちょう》の美しさに近い....
或る女」より 著者:有島武郎
においがたまらないほど気になったり、人の着ている着物の色合いが見ていられないほど不調和で不愉快であったり、周囲の人が腑抜《ふぬ》けな木偶《でく》のように甲斐《か....
星座」より 著者:有島武郎
れた下卑たその言葉と、その時渡瀬の眼に映った奥さんの睫毛《まつげ》の初々しさとの不調和さが、渡瀬を妙に調子づかせた。 「飲めないことがあるものか、始終晩酌の御相....
想片」より 著者:有島武郎
には誰にもこの本能が大事に心の中に隠されていると私は信じている。この本能が環境の不調和によって伸びきらない時、すなわちこの本能の欲求が物質的換算法によって取り扱....
婦系図」より 著者:泉鏡花
……差俯向いて物寂しゅう、 「私が自分では、どうも計らい兼ねますの。それには不調法でもございますし……何も、妹の方が馴れておりますから。」 「いや、貴女でな....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
――ちょうどお銚子が来た。女中さん、お酌をしてあげて下さい。」 「は、いえ、手前不調法で。」 「まあまあ一杯。――弱ったな、どうも、鶫を鍋でと言って、……その何....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
ずれた面構えであるが、それが不思議にも一種の吸引力を持って居る。 丁度私が其の不調和なヤコフ・イリイッチの面構えから眼を外らして、手近な海を見下しながら、草の....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
る撥音で、 ……博多帯しめ、筑前絞り―― と、何とも言えぬ好い声で。 (へい、不調法、お喧しゅう、)って、そのまま行きそうにしたのです。 (ああ、身震がするほ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ん。」 杯をずいとさして、 「一つ申上げましょう、お知己に……」 「私は一向に不調法ものでございまして。」 「まあ一盞。」 「もう、全く。」 「でも、一盞ぐら....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
う下らないこと、くどくど申上げまして、よくお聞き遊ばして下さいました。昔ものの口不調法、随分御退屈をなすったでございましょう。他に相談相手といってはなし、交番へ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
鐸の柄を片手に持換えながら、 「思いがけない処にござった。とんと心着きませんで、不調法。」 と一揖して、 「面です……はははは面でござる。」 と緒を手首に、....
カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
スル。シタガツテ楷書ノ活字トカタカナノ活字モマタキワメテ調和ガヨイ。モシモコレヲ不調和ト感ジル人ガアツタラオソラクソノ人ガカタカナヲ見ナレナイセイカ、ソウデナカ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、へん、馬鹿にしねえや。何でえ、」 と、下唇を反らすのを、女房はこの芸なしの口不調法、お世辞の気で、どっかで喧嘩した時の仮声をつかうのかと思っていると、 「何....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ったために躓いたのでござりませぬ。石は好い心持でいる処を、ぶつかったのは小児めの不調法。通りがかりには挨拶をしましたが、仔細あって、しばらく、ここへ参るまいと存....