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二元
「二元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
自己が自己に対して異性を措定《そてい》し、自己と異性との間に可能的関係を構成する
二元的態度である。そうして「いき」のうちに見られる「なまめかしさ」「つやっぽさ」....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
捕えられ、そこに、奇怪な空中楼閣を描き出すようになる。そして、お前の衷には苦しい
二元が建立される。霊と肉、天国と地獄、天使と悪魔、それから何、それから何……対立....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
※は蒼天にある二個の小隙を埋めることを忘れたと言われている。かくのごとくして愛の
二元論が始まった。すなわち二個の霊は空間を流転してとどまることを知らず、ついに合....
「光の中に」より 著者:金史良
像した。そして内地人の血と朝鮮人の血を享けた一人の少年の中における、調和されない
二元的なものの分裂の悲劇を考えた。「父のもの」に対する無条件的な献身と「母のもの....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
児へ手をやって、母が入れたものをさぐっていた。 「たったこれっぱちか!……。もう
二元よこせい! もう
二元!」 おどかしつける声だった。母は、哀れげな父を見た。....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
相を認めた。そしてそのときから面を天へと向けた。けれど私らは認識するに至りて以来
二元に苦しんでいる。自己を形成する要素が二つあることを感ずる。そしてその一つをば....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
このやうな眼が有りうるものかと小左衛門は我目を疑る始末であつたが、思へば男の魂は
二元で、この陰惨な眼が彼の偽らぬ本性である。この男は悪魔なのだ。彼は神の福音を説....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
を求めた。しかし自由を現象界から駆逐して英知的の事柄としたのでは、一般にカントの
二元論となり終わり、われわれの意識を超越した英知的性格の行為にわれわれが責任を持....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
に表面裏面の二方面を考えて説くのである。現象が舞台なれば実在は楽屋である。これを
二元的実在論といったならばよかろうと思う。この見方は前の一元的表面的実在論に較《....
「妖怪学」より 著者:井上円了
種出でて野外に遊ぶ。これ、夢の起こる原因となす。この重我説ようやく発達して、身心
二元説となる。身心
二元説にありては、身は有形、心は無形なることの道理明らかに知ら....
「迷信解」より 著者:井上円了
の種類もすこぶる多きも、今まず易筮を挙げてほかを略すつもりである。 易筮は陰陽
二元の道理に基づき、『易経』の所説によるものなれば、その原理はずいぶん高尚のもの....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
なことをすれば私の心は不断の心の混乱と圧迫とに苦しむばかりです。 私の心はこの
二元のために混乱します。性を捨てることは私にはできがたきのみならず、実に惜しいの....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
〉の私と呼ぶことには差支はありません。しかし、それはよく誤解されますから、霊肉の
二元論でないことを注意して下さい。私は時間の上に延び上る私と、空間の上に拡がる私....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
ことにかならず気がついているであろう。すなわちそれは二つの要素の間の闘い、広大な
二元である*き呻く。けれどもこの二人の敵対者らは、征服者と被征服者とは、共に同様....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
析幾何の初歩を学んだ。数学の嫌いな私にもこれは大変面白く勉強出来た。掛江教官が「
二元の世界すなわち平面に住む生物には線を一本書けばその行動を掣肘し得らるるわけだ....