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仔細らしい
「仔細らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仔細らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新ハムレット」より 著者:太宰治
は、おとなの世界があるんだ。見え透いた権謀術数を、見破られていると知りながらも、
仔細らしい顔つきをして、あっちでひそひそ、こっちでこそこそ、深く首肯き合ったり、....
「不審庵」より 著者:太宰治
に小声で言うのである。ふりかえって主人に掛軸の因縁などを、にやにや笑ったりせず、
仔細らしい顔をして尋ねると、主人はさらに大いに喜ぶのである。因縁を尋ねるとは言っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れでは、中身をひとつ読んでみてやれ」 米友は捲きかけた手紙をクルクルと拡げて、
仔細らしい面で文面を見つめました。 一通り眼を通してしまうと米友の面色《かおい....
「連環記」より 著者:幸田露伴
や、反って東の山の山膚までがハッキリと見えるものだ。増賀上人の遥に遠い東の山には
仔細らしい碁盤や滑稽な胡蝶舞、そんな無邪気なものが判然と見えたのであろう。然し其....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
それを、仔細らしく、あの木柱へ筆太に書き立てたあの文句は何です。
そうして、
仔細らしい文句を、人を食ったような、まじめなような、物々しい気取りで書き納めて、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
百蔵が、 「さて南条様、つかんことを承るようでございますが……」 事改まって、
仔細らしい物の尋ねぶりであります。 「何だ」 「ほかではございませんが、あの相生....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
める気と見える。 顎十郎と向きあっているのは、辣薤面《らっきょうづら》のひどく
仔細らしい番頭で、魚釣りの縁起、釣りの流派、潮のみちひきから餌のよしあしと、縷《....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
れぬ。が、私のするのは、其とは、違うつもりである。もっとしかつめらしい顔をして、
仔細らしい事を言おうとするのである。だから、書かぬ先から、余計な事だと言われそう....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
子さんが、口を尖《とが》らせて何かしゃべっている。ピロちゃんとトクさんが、ひどく
仔細らしい顔つきで、いちいちそれにうなずいている。 キャラコさんが、つぶやく。....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
をみた警部はにやにや笑って、 「靴の裏は大きすぎて、肉眼じゃ見えないでしょう。」
仔細らしい目を駅長にくれて、「それとも近眼ですかな。」 ソーンダイクは怒りもし....