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仔細
「仔細を〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仔細をの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
れるように御取り計らい申しましょう。」
二十四
その密談の
仔細を甥の口から私が詳しく聞きましたのは、それから三四日たったある朝の事でござい....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
だり》に主家《しゅか》を駈落ちなどする男ではない。こう思ったから、佐渡守は、その
仔細を尋ねると同時に、本家からの附人《つけびと》にどう云う間違いが起っても、親類....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
答えるのです。そこで新蔵も気がかりになって、あの石河岸へ来るまでの間に、いろいろ
仔細を尋ねましたが、お敏はただ苦しそうな微笑を洩らして、「こうしている所が見つか....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
顔だけれど、――名はお君という――その妓は熊野を踊ると、後できっと煩らうとの事。
仔細を聞くと、させる境遇であるために、親の死目に合わなかったからであろう、と云っ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
握る、指と掌は動くけれども、肱は附着いてちっとも伸びず。銅で鋳たような。……その
仔細を尋ぬれば、心がらとは言いながら、去る年、一|膳飯屋でぐでんになり、冥途の宵....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
後生になるのでございます。」 「可いじゃあないか、何も後にだってよ。」 義作が
仔細を心得て、 「競争をしてるんでさ、評判なんで。おい、姉さん、御主人様がこちら....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
まあ、当りなさいと、炉の縁へ坐らせまして、手前も胡坐を掻いて、火をほじりほじり、
仔細を聞きましても、何も言わずに、恍惚したように鬱込みまして、あの可愛げに掻合せ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
しては不可い。滝壷へ投沈めた同じ白金の釵が、その日のうちに再び紫玉の黒髪に戻った
仔細を言おう。 池で、船の中へ鯉が飛込むと、弟子たちが手を拍つ、立騒ぐ声が響い....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
で。……親子は顔を見合わせたそうですが、助け上げると、ぐしょ濡れの坊主です。――
仔細を聞いても、何にも言わない。雫の垂る細い手で、ただ、陸を指して、上げてくれ、....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
と民弥は、西片町のその住居で、安価い竈を背負って立つ、所帯の相棒、すなわち梅次に
仔細を語る。……会のあった明晩で、夏の日を、日が暮れてからやっと帰ったが、時候あ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
えて。 「まァまァお待ち下さりませ。何やら御様子ありげの今のお言葉、とにかくその
仔細を、御差支無い限りは、手前どもにお聴かしの程願いまする」 「それは次第に依っ....
「古事記」より 著者:太安万侶
たのには、「天若日子が久しく返事をしないが、どの神を遣して天若日子の留まつている
仔細を尋ねさせようか」とお尋ねになりました。そこで大勢の神たちまたオモヒガネの神....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
の方を気にしながら、私の食事をサーヴィスしている形に見せつつ、彼の訊き度いと思う
仔細を語った。 青年は名をベックリンと言って伯林商業大学の生徒だった。自活をし....
「お住の霊」より 著者:岡本綺堂
一向その意を得ぬ事、一体どうした情由だと、最初は物柔かに尋ねたが、妹は容易にその
仔細を明かさずただ一刻も彼の邸には居られませぬと云う。けれども小児では無し、ただ....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
ここに長居する気がないから、其日の中に早々ここを引払って、再び倫敦へ逃帰る。その
仔細を知らぬ番人夫婦は、余りお早いではありませんか、せめてモウ五六日、せめて殿様....