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仕上り
「仕上り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
仕上りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
のだから、去年千両かかったものが、今年は千百両かかるのじゃ」 「しかし、七百両で
仕上りますものを、何も前年通りに……」 「どう仕上る?」 「それは、ここにありま....
「鎮魂歌」より 著者:原民喜
三日月が焼跡の新しい街の上に閃《ひらめ》いている夕方だった。わたしがミシン仕事の
仕上りをデパートに届けに行く途中だった。わたしは雑沓《ざっとう》のなかでわたしの....
「道標」より 著者:宮本百合子
げて、口をすぼめるような表情で鏡を見ながら眉を描く手つき。手鏡を顔ちかくよせて、
仕上りをしらべるまじめな顔つき。実の娘の伸子の前では、多計代ものんびりと一人きり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ね……わしが一人で、こつこつと木を運んだり、石を運んだりして、どうやらお堂の形が
仕上りました」 「まあ、できないことですね。ですけれどもね、与八さん、一人で行く....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
よしと思う時がなく、終に描き過ぎて折角の絵をなぶり殺しとする事がある。自分の絵の
仕上り時を発見する事が、その画家の力量だという言葉さえあった。 従って、自然の....
「斯ういう気持」より 著者:宮本百合子
のに金がないから下さいって云うの。――その製粉機会社の主人《おやじ》ってのが、仲
仕上りで、金なんぞ一文だって只出すという奴じゃあないんです。――厭な顔してね、何....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れは一番、目のつけどころだ、と考えてしまいました。 そこで、よそながら、機械の
仕上りを心待ちに待っていたものですが、その当りをつけた相手に無断で出発されてしま....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
酒場の女給に、ふさわしい娘であった。 準之助氏が、以前会社に使っていたという給
仕上りの娘を、一人世話してくれた。色の浅黒いチンマリかわいい顔立で、身体もガッチ....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
此の場合、ボール紙の三方に鉋をかけて斜に落とす所謂面をとるのが普通であって、その
仕上りは一つの稜を増すわけであるから、重厚であり複雑な味を附加される。又この稜を....
「虹と感興」より 著者:上村松園
私は今婦女風俗の屏風一双を描いておりますが、これは徳川末期の風俗によったもので、もうそろそろ
仕上りに近づいております。 これは東京某家へ納まるものです。もちろん画題のこと....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
へえ》って来たバツクの(東京|下《くだ》りのハイカラ)生《なま》ッ白《ち》れエ給
仕上りの野郎に聞いたんだが、議会で政府のアラ捜しより能の無え議員が、大分鋭く監獄....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
、師匠から「四君子」と題が出て、三人の弟子は競うてかかりつめたが、誰れよりも早く
仕上り、師匠の糸ぐせも巧みに出して、色彩りも鮮やかに人眼を惹いたのは、連之助の仕....
「鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
怖さに、誰れも手を出さなかった。これは織目の緻密な総レースをつくり出すのである。
仕上り品は主に極上品のカーテン地として売り出された。ぎんは、この機械のことで明け....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
嬉しさで。――もっとも、下職も三人入り、破屋も金銀の地金に、輝いて世に出ました。
仕上り二年間の見積の処が、一年と持たず、四月五月といううちから、職人の作料工賃に....
「土田さんの芸術」より 著者:上村松園
ら知っていた。少年の立ってる足許に野菊の折枝が二、三本あしらってあるが、もう殆ど
仕上りに近づいた時丁度私が行き合わしてると、「さぁ今度は野菊を描かんならぬ。どこ....