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冬菜
「冬菜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冬菜の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
り》を見まわすと、三十格好の女房が真っ赤な手をしながら井戸端で大束《おおたば》の
冬菜《ふゆな》を洗っていて、そのそばに七つ八つの男の児が立っていた。 「もし、お....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ない、そして実質的に食べられるものを親切に選んであった。特に女の眼を悦ばせそうな
冬菜は、形のまま青く茹で上げ、小鳥は肉を磨り潰して、枇杷の花の形に練り慥えてあっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
こういう時になくてならないのは清助の手だ。手先のきく清助は半蔵よりずっと器用に、
冬菜、鶯菜、牛蒡、人参などの野菜を色どりよく取り合わせ、干し柿の類をも添え、台の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
では十人あまりへ胡桃餅を出す、早朝から風呂を焚く、あとで出す茶漬けの菜には煮豆に
冬菜のひたしぐらいでよろしの類だ。寺は精舎とも、清浄地とも言わるるところから思い....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
さえ、足の竦《すく》むような気のする彼は、せめてものお詫びのしるしにと、新らしい
冬菜《とうな》をたくさん車にのせて、おずおずと出かけて行ったのである。 台所の....
「雁」より 著者:田中貢太郎
離れると中野村と云う小村が来た。路の右手に杉林が見えて其の前が畑地になり、大根や
冬菜のようなものを作ってあった。麦を蒔いたらしい土をならした畑もあった。菜畑には....