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出来上る
「出来上る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
出来上るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
いている場合ではない。昼夜兼行に勉強しても、元来仕事に手間《てま》のかかる彼には
出来上るかどうか疑問である。保吉はいよいよ弔辞に対する忌《いま》いましさを感じ出....
「女」より 著者:芥川竜之介
ばゆ》いほどもう白々《しろじろ》と、真夏の日の光を照り返していた。
蜘蛛は巣が
出来上ると、その華奢《きゃしゃ》な嚢の底に、無数の卵を産み落した。それからまた嚢....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
はあんまり大きく作ったので、片方の耳の先きが足りなかった。もう十ほどあればうまく
出来上るんだけれども、八っちゃんが持っていってしまったんだから仕方がない。 「八....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
が、これが又、非常な速さで、大概の花は五分以内で仕上げてしまふ。 かうして花が
出来上ると、客の抜いた籤と照合せる。が、勿論前に記したやうな仕組になつてゐるのだ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
白丘ダリアの入所後はやくも五日のちには、赤外線テレヴィジョン装置がもう一と息で
出来上るというところまで漕ぎつけた。 ところが其の朝に限って、いつもなら午前七....
「海底都市」より 著者:海野十三
ているのですよ」 とタクマ少年はいった。 「もう一時間もすれば、予定の棚は全部
出来上るそうです。棚が出来たところからは、更に下へ向かって柱をたてます。どんどん....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
て、自分をはげましているのであった。 はたして、地下戦車は、一郎の手によって、
出来上るだろうか。今のところ、少年修理工岡部一郎と地下戦車との間には、あまりに大....
「火星兵団」より 著者:海野十三
るのか」
「知っているよ。博士は、薬を作っているのだ。だが、それはいつになったら
出来上るのか、見当がつかないんだ」
「困ったねえ」
地底からは、火星人の言葉で....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
序に、中央から始って両側へと、骨組の難工事はおしすすめられてゆくのだった。それが
出来上ると、甲板上の大きな室ができたり、そのほかこまごました装置が取付けられたり....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
しである。何の得る所なき自己陶酔、キザな神様気取りの、聖者気取りの穀潰しが、一人
出来上る丈である。日本国民は、一時も早くそんな陋態から蝉脱して、一歩一歩向上の生....
「朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
るものですから其処に少しも調和のとれない、混雑した、落着かない好もしからぬ風俗が
出来上るのだと思います。 近頃の電車の中などでも、昔のように丸髷や文金などの高....
「三人の師」より 著者:上村松園
風の二つがごっちゃになって、どうしても正しい絵にならない。落ちつきのない画ばかり
出来上るのである。 楳嶺先生はそのような不純な絵を悦ばれる筈はない。よい顔は一....
「浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
彫りの巧さ、刷り上げの巧さ、そういうものが重なり重なりして、あの纒まった芸術品が
出来上るのですから、私は作家のみならず、そういう工人たちにも多くの手柄があるのだ....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
の残した言葉は不動である。 誤ったために、その失敗を工夫して生かし思わぬ佳作が
出来上ることがある。そのような時はまた格別に嬉しい。それは画境に一進展の兆しがあ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ならば極めて長期の戦争を予期せねばならぬ。米国は更に建艦速度を増し、所望の実力が
出来上るまでは決戦を避けるであろう。自分に都合よいように理屈をつける事は危険千万....