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分譲
「分譲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分譲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「接吻を盗む女の話」より 著者:佐左木俊郎
がした。 明るい商店続きの町を出外《ではず》れると、そこから二三町ほどの間は、
分譲住宅地として取り残されている荒れ野原だった。三枝子はそこを斜めに横切るのだっ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ことを互に要求した。クルーソーは自己に対する道徳とフライデーに対する道徳との間に
分譲点を見出さねばならなかった。フライデーも同じ努力をクルーソーに対してなした。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
飛んで来る鳶は近所の西郷山に巣を作っているらしい。その西郷山もおいおいに拓かれて
分譲地となりつつあるから、やがてはここらにも鳶の棲家を失うことになるかも知れない....
「東京八景」より 著者:太宰治
した。言約を潔癖に守る兄である。Hはのんきな顔をしてやって来た。五反田の、島津公
分譲地の傍に三十円の家を借りて住んだ。Hは甲斐甲斐しく立ち働いた。私は、二十三歳....
「縮図」より 著者:徳田秋声
備を用意して移転を開始し、土地を開放したところで、永い間の悩みも解消され、半分は
分譲し、半分は遊園地の設計をすることにして、あまり安くない値で買い取ったのであっ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
的普及ということでなくてはならぬのである。単にアカデミックな知識を一般の素人にも
分譲するということなら、夫は何等啓蒙活動ではない。啓蒙とは知識なり見解なりをある....
「火薬船」より 著者:海野十三
るとあがった。 すると、すぐノーマ号から返事があった。 “飲料水、野菜、果実ノ
分譲ヲ乞ウ。高価ヲ以テ購ウ” それを見て虎船長は、 「駄目だ。本船にも、その貯....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
、医学の家元は、そうした秘伝を授けることが出来ないので、その代りに研究のテーマを
分譲したり、研究論文を審査したりするのである。だが、それにした処が、医学博士の家....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
れて行ってかの女と逸作が一昨年|帰える時、息子ばかりが巴里に残った。 かの女が
分譲地の標札の前に停って、息子に対する妄想を逞しくして居る間、逸作は二間|程離れ....
「火の扉」より 著者:岸田国士
このあたりは、東京から一時間という郊外電車の沿線で、数十年前に植林を切りひらいた
分譲地であるが、住宅はまだ建ちそろわず、道路だけは広く縦横に通じているけれども、....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
のだから、それにも実は及ばぬ次第。近々御隠居ともならば、私田を御次男御三男にも御
分譲。政言殿には二万五千石。輝録殿には一万五千石と、内々御決定の折柄に、又そこへ....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
でそのカーヴの線と表通りの直線とに挟まれて三日月形になった空地がある。信託会社の
分譲地の柱が立っている。ふさがっているのは表通りの右端の二区切りだけで、あとは古....
「自殺か他殺か」より 著者:小酒井不木
に寄付するということが書かれてありましたが、それを水野氏に頼んで、あなたにも一部
分譲ることに書きかえようとしたのです。 ところが、あなたは藤田さんを殺したから....
「我家の園芸」より 著者:岡本綺堂
好まない。チューリップ、カンナ、ダリアのたぐいも多少は栽えるが、それに広い地面を
分譲しようとは思わない。日本の草花でも優しげな、なよなよと百日草と薄、それに次い....
「日本の頭脳調べ」より 著者:戸坂潤
と云うのは竹内氏は科学の啓蒙、通俗化、というようなことを、何か素人に対する知能の
分譲か、ニュースの提供とでも考えているようだ。之また科学者の一つの大切な役割では....