»
吹上
「吹上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の風、五十鈴川で劃られて、宇治橋の向うまでは吹くまいが、相の山の長坂を下から哄と
吹上げる……これが悪く生温くって、灯の前じゃ砂が黄色い。月は雲の底に淀りしている....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。一所に来たまえ。」 その時だ。 「ぴい、ぷう。」 笛を銜えて、唇を空ざまに
吹上げた。 「分ったよ、一等賞だよ。」 「ぴい、ぷう。」 「さ、祝杯を上げようよ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
四十二 その蔵屋という方の床几に、腰を懸けたのは島野紳士、ここに名物の
吹上の水に対し、上衣を取って涼を納れながら、硝子盃を手にして、 「ああ、涼しいが....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
しい風にも眉を顰めて歩を移すと、博物館の此方、時事新報の大看板のある樹立の下に、
吹上げの井戸があって、樋の口から溢れる水があたかも水晶を手繰るよう。 お夏は翳....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
、私の身体も大切な日ですから。) と云う中にも、裾も袂も取って、空へ頭髪ながら
吹上げそうだったってな。これだ、源助、窓硝子が波を打つ、あれ見い。」 ....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
って防ぐのであります。こういう時は、その粉雪を、地ぐるみ煽立てますので、下からも
吹上げ、左右からも吹捲くって、よく言うことですけれども、面の向けようがないのです....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
い、お爺さん。」 「あんだなし。」 と、谷へ返答だまを打込みながら、鼻から煙を
吹上げる。 「煙草銭ぐらい心得るよ、煙草銭を。だからここまで下りて来て、草生の中....
「古狢」より 著者:泉鏡花
行くので、雪にはいうまでもなく埋もれる。平家づくりで、数奇な亭構えで、筧の流れ、
吹上げの清水、藤棚などを景色に、四つ五つ構えてあって、通いは庭下駄で、おも屋から....
「妖術」より 著者:泉鏡花
もらしい顔色して、ニヤリともしないで吐くと、女どもは哄と笑って、線香の煙の黒い、
吹上げの沫の白い、誰彼れのような中へ、びしょびしょと入って行く。 吃驚して、這....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
書いたのを、背中へ背負って、緋めれんすの蹴出しで島田髷の娘が、すたすたと、向うの
吹上げの池を廻る処を、お悦が小走りに衝と追って、四阿屋がかりの茶屋の軒下に立つと....
「地中魔」より 著者:海野十三
地中魔変じて地中鬼と化したのであった。それは悪をたくらむ者の、行きつく道だった。
吹上げられた地中突撃隊 「先生、これは一体どうしたというのでしょう」 三吉は不....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ということがよく判っていないようです。この隠密の役目を勤めるのは、江戸城内にある
吹上の御庭番で、一代に一度このお役を勤めればいいことになっていました。 なぜ御....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
補記。近時|沢瀉久孝氏は田児浦を考証し、「薩※峠の東麓より、由比、蒲原を経て
吹上浜に至る弓状をなす入海を上代の田児浦とする」とした。 ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
打ち出されますと、右に御台《みだい》、左にご簾中《れんちゅう》を従えさせまして、
吹上|御苑《ぎょえん》に臨時しつらえましたお土俵の正面お席にお着座なさいました。....
「採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
いない。埼玉県も浦和から大宮の間の林には相当いる。だが、それよりも信越線の桶川、
吹上方面の方が有望だ。また、池上本門寺付近も市街に近いが見のがせない場所だ。 ....