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潮鳴り
「潮鳴りが〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
潮鳴りがの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
、彼は必死の闘いを挑む決心をしたのである。 やがて、夜が白々と明け初めてきた。
潮鳴りがして、雨を含んだ重たそうな雲が低く垂れこめ、霧はまだ港を鎖ざしている。し....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
い重たげな音を感ずるのである。 やがて、海霧の騎行に光が失せて、大喇叭のような
潮鳴りが、岬の天地を包み去ろうとするとき、そのところどころの裂目を、鹹辛い疾風が....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
が動かなくなって立ち止まった。 私はポカンと風呂敷包みをぶらさげて立っていた。
潮鳴りが、ザアッザアッと畑をこえて聞こえている。それはまるで聴診器で聞く心臓音の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
には、耐え難いものがあった。 蜩の声は、壮年期の弔歌に聞え、都を中心とする時の
潮鳴りが、山の静寂とは逆に、心へ底波を打ってくる。 た、た、た、と飛ぶような跫....
「勝敗」より 著者:渡辺温
え々々とする晩のことであった。 晃一は弟とならんで床に入ったが、荒模様になった
潮鳴りが耳について、却々眠られなかった。枕元のスタンドランプには、幸子が編んだ南....