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「病勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

病勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さき者へ」より 著者:有島武郎
りて住む事になり、私たちは近所の旅館に宿を取って、そこから見舞いに通った。一時は病勢が非常に衰えたように見えた。お前たちと母上と私とは海岸の砂丘に行って日向《ひ....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
である! 翌日になるとひどい熱が出た。ペテルブルグの気候の仮借なき援助によって、病勢が予想外に早く昂進したため、医者は来たけれど、脈をとってみただけで、如何《い....
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
度はだんだん呼吸困難の度を増して浅薄な呼吸を数多くしなければならなくなって来た。病勢がこんなになるまでの間、吉田はこれを人並みの流行性感冒のように思って、またし....
」より 著者:島木健作
である。 その男は言うまでもなく癩病患者であった。しかも外観から察したところ、病勢は、もうかなり進んでいる模様である。まだ若い男らしいのだ。病気のために変った....
或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
人の生命を繋《つな》いでいるだけであった。 5 しかし、吾平爺の病勢はますますいけなくなる一方だった。爺は何度も便を催した。そして、寝床の襤褸《....
汽笛」より 著者:佐左木俊郎
しい長い音。あの野獣の吼えるような唸《うな》るような余韻を持った音ではなかった。病勢が加速度を持ち出して秋子は床《とこ》に就《つ》いたきりだった。そして彼女は、....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
癆、獅子癩に潰瘍癩、だがおおかたは混合する」 「案外長命だというではないか」 「病勢が遅々として進むからだ。だが奔馬性癩患は、二十年三十年の道程を、あたかも奔馬....
碁の手直り表」より 著者:菊池寛
バラになって、自分は大勝した。横に見ていた人が、直木をからかった。自分は、直木の病勢が、わるいのを知っていたから、勝ってもちっともうれしくなかったので、その人が....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
面は死灰のごとくなりき。 時彦はその時よりまた起たず、肺結核の患者は夏を過ぎて病勢募り、秋の末つ方に到りては、恢復の望絶果てぬ。その間お貞が尽したる看護の深切....
星女郎」より 著者:泉鏡花
反った時は、薬を嗅がせて正気づかせる外はないのです。 ざっと一月半入院したが、病勢は日に日に募る。しかも力が強くなって、伸しかかって胸を圧える看護婦に助手なん....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私は一|生涯その懐剣を自分の魂と思って肌身に附けて居たのでした。 いよいよ私の病勢が重って、もうとても難しいと思われました時に、私は枕辺に坐って居られる母に向....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
一度だけ逆われたことがあった。それはもう彼の末期に近い頃で、私の父が死病に罹って病勢がよほど進んでいる時のことだった。リヴジー先生が或る日の午後遅く父を診に来て....
光は影を」より 著者:岸田国士
黙つて見ていられないんです。しかし、また、一方で、こんなことも考えるんです。仮に病勢が次第につのつて、言わば、あなたの周囲からそれが絶望とみられるようになり、あ....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
なり、そしてこの頃はだんだん悪くて発熱したり、せきがかなりはげしくなって、どうも病勢が進みそうなのです。この姉は私が家出すれば私の家をつぐべき大切なからだで、両....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ズ、レスタア未亡人から遺伝しているのにちがいないと思うのだ。ときに情報は、伯爵が病勢衰えて、起き上がれるだけにはなったが、宮廷生活はさらりと捨てて、即刻ウェール....