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「〆て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

〆ての前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧主人」より 著者:島崎藤村
って、戸の外に雀の寝覚が鈴の鳴るように聞える頃は、私はもう起きて、汗臭い身体に帯〆て、釜の下を焚附《たきつ》けました。 私も奥様に蹴《け》られたままで、追出さ....
無惨」より 著者:黒岩涙香
なら随分お先煙草と云う事も有ますけれど彼れは爾で有ません、安物ながら博多の帯でも〆て居れば是非|最う腰の廻りに煙草入が有る者です(荻)夫なら其煙草入や財布|抔が....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
の所天を認めたでしょう倉「夫が店番の有る様な家では無いのです。自分の留守には戸を〆て置くほどの暮しですから」ああ読者よ、如何にも是は運の尽なり、実際には随分あり....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
いていた。 四人の子供も庭へ出て来た。一番|年長のは最早十四五になる。狭い帯を〆て藁草履なぞを穿いた、しかし髪の毛の黒い娘だ。年少の子供は私達の方を見て、何と....
」より 著者:島崎藤村
お俊は幾枚かの模写をそこへ取出して来て、見せた。この娘は自分で模様を描いた帯を〆ていた。 「漸くこういう色彩の入ったものを許されました」とお倉は娘の画をお種に....
」より 著者:島崎藤村
達の中でも、お愛の優美な服装が殊に目立った。お俊は自分の筆で画いた秋草模様の帯を〆ていた。彼女は長いこと使い慣れた箪笥が、叔父の家の方に来ているのを見て、ナサケ....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
計に数えております。永年数え慣れておりますケン十人見張っておりましても同じ事で、〆て千とか一万とかになった時には、二割から三割ぐらい余分に取込んでおります。 ....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
こに取りちらかしてある書附け、全部で、三、四十両くらいのものか。世はさまざま、|〆て三、四十両の支払いをすます事も出来ずに大晦日を迎える家もあり、また、わしの家....
大きい足袋」より 著者:宮本百合子
はないと見えるわい」と云って家にかえった。 それから一週間許たった風の強い日に〆て十銭也とかき出しのついた大きい足袋が二足じいやの所にとどけて来た。爪の先がも....
南国太平記」より 著者:直木三十五
者でござりますか」 調所は、それに答えないで、机の向う側に坐っていた二人に 「〆て」 二人が、算盤をとって、指を当てた。 「一つ、鬱金二万三千二百八十五両也....
魔都」より 著者:久生十蘭
早いと思うんだが、ねえ、志摩さん、寝返り代と密告《さし》賃、それに口銭を合せて、〆ていくら出す?」 志摩徳は浅黒い引緊った頬を弛ませ、 「ただであんたを転ばそ....
遠野物語」より 著者:柳田国男
庭を廻るな※ 一 女鹿たづねていかんとして白山の御山かすみかゝる※ ○して、字は〆てとあり。不明 一 うるすやな風はかすみを吹き払て、今こそ女鹿あけてたちねる※....