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「あくせく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

あくせくの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さき者へ」より 著者:有島武郎
私はその頃心の中に色々な問題をあり余る程《ほど》持っていた。そして始終|齷齪《あくせく》しながら何一つ自分を「満足」に近づけるような仕事をしていなかった。何事....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
従って、分相応の食事をたらふくつめこんだり、また誰も彼もが役所でのペンの軋みや、あくせくたる奔命や、自分のばかりか他人ののっぴきならぬ執務や、またおせっかいなて....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
とき感情を繰返した事は無かった。年一年と苦労が多く、子供は続々とできてくる。年中あくせくとして歳月の廻るに支配されている外に何らの能事も無い。次々と来る小災害の....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
空中に移したのは、真に驚嘆すべき着想ではないか。通達無碍の空中への飛躍は、地上にあくせくする人々の想像に絶するものがある。地上戦争の常識では、この次の戦争の大変....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
にならないのでございますよ。私は、もう、独りで、うちのことやら、子供のことやらをあくせくしているのでございます」 「そりゃア、大抵なことじゃアないでしょう。――....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
って大いに罵った。 「天がおれを貧乏な人間にこしらえたから、よんどころなしに毎日あくせくと働いているのだ。その命の綱の食い物をぬすむような奴を、切ったのがどうし....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
現世の生活にありては、主なるものが衣食住の苦労、大概の人間はただそれっきりの事にあくせくして一|生を過して了うのであるが、こちらでは衣食住の心配は全然ない。大体....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
」と、メグがいいました。 「ねえ。わが友、祝杯をあげましょうよ。あそびは永久に!あくせくしっこなし!」と、ジョウはレモン水がいきわたったとき、そのコップを高くさ....
白痴」より 著者:坂口安吾
うな心、幼い、そして素直な心が何より必要だったのだ。俺はそれをどこかへ忘れ、ただあくせくした人間共の思考の中でうすぎたなく汚れ、虚妄の影を追い、ひどく疲れていた....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
一生を辿らなければなるまい。このまゝで良いとお前は思ふか。このやうな汚れた世に、あくせくとお金をもうけ、そのお金で身の小さな安穏をはかり、それを孝養だの慈善だの....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
が、いざ出帆の間ぎわになると、綺麗に鬚を剃って、青い上衣を着て、祝儀をもらうのにあくせくしている客引きたちは再びそこへ現われた。僕も急いで乗船した。 カムチャ....
光は影を」より 著者:岸田国士
ぐ働きに出るなりした方がいゝんだし、そうすれば、お父さんも、あんまり、金のことであくせくなさらんですむわけでしよう」 「わしは、今なら、どうかなると思つとる。た....
剣侠」より 著者:国枝史郎
のように広い領地を、持つことが出来て居りますので。そうでなくては馬飼風情、いかにあくせく働きましたところで、とてもとても今日のような。……で私はその黄金を、巧み....
判決」より 著者:カフカフランツ
んだんとまれになってきているが、いつでもそれをこぼしていた。異国の空の下でむだにあくせく働いたわけで、顎や頬いちめんの異様な髯が、子供のころから見慣れた顔をなん....
衰えてきた日本料理は救わねばならぬ」より 著者:北大路魯山人
それはいろいろと違うのであります。 つまり、料理は機宜の処置が大切であります。あくせくして疲れて腹をへらして帰って来たひと、そんな場合、いかなる料理にしても長....