»
あさひ
「あさひ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
あさひの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
うよりもむしろ今日はじっとしてはいられぬ苛立《いらだ》たしさを感じた。
「朝日《
あさひ》をくれ給え。」
「朝日?」
物売りは不相変《あいかわらず》目を伏せたま....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
ったりした。路に隣った麦畑はだんだん生垣《いけがき》に変り出した。保吉は「朝日《
あさひ》」を一本つけ、前よりも気楽に歩いて行った。
石炭殻《せきたんがら》など....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
には春になってから町へ持出さるべき梅や、松などがどっさり植つけられてあった。旭《
あさひ》が一面にきらきらと射していた。はね釣瓶《つるべ》が、ぎーいと緩《ゆる》い....
「伸び支度」より 著者:島崎藤村
》でいそがしがっている時《とき》であった。三|月《がつ》らしい春《はる》の朝日《
あさひ》が茶《ちゃ》の間《ま》の障子《しょうじ》に射《さ》してくる頃《ころ》には....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
りました。 来て見るとこれは不思議――春秋の花が一時に咲き揃って、露に濡れ旭《
あさひ》に輝やいていますから、濃紅姫は呆れてしまって、恍惚《うっとり》と見とれて....
「雪の塔」より 著者:海若藍平
を作れ 世界の人も 獣《けもの》も鳥も 野山の草木も 気づかぬうちに 旭《
あさひ》の光りが 照らさぬうちに 一夜で出来て 一夜で消える 高い高い 白い....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
状の様に丁寧に巻いてある、引き延して之を読むと、
「丸部家第十四世の孫|朝秀《
あさひで》、茲に誠意を以て証明す、此の塔に蓄うる金銀珠玉一切の宝物は正統の権利に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
一《ひと》つ印籠《いんろう》というこしらえで、 「そいつぁ乙だ、一番その朝比奈《
あさひな》の口上言いというのを買って出ようかな」 「福兄さんが朝比奈をやって下さ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
らさえ、棒で打たれることを免れなかった。
突然太陽が地平に現われてきた。旭日《
あさひ》の広大なる光はほとばしって、それら荒々しい者どもの頭に火をつけたかのよう....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
れ お山のぼりくだり何かおとしたやうな 十一月二日 快晴、行程八里、星越山麓、
あさひや。 早起早立、まっしぐらにいそぐ、第十八番恩山寺遥拝、第十九番立江寺拝登....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
心持になった。眇目の男は枯枝の火を踏み消して、さきに立ってこの洞穴をぬけ出すと、
あさひはそこらに散り敷いている落葉を一面に美しく照らしていた。二人は黙って彼のあ....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
。即ち次の如くである。 忍《しのぶ》ヶ|岡《おか》と太郎稲荷の森の梢には朝陽《
あさひ》が際立ッて映《あた》ッている。入谷《いりや》はなお半分|靄《もや》に包ま....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
。 今日《こんにち》上野博物館の構内に残っている松は寛永寺《かんえいじ》の旭《
あさひ》の松《まつ》または稚児《ちご》の松《まつ》とも称せられたものとやら。首尾....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
の枝または新雪表面には沢山出来る。特に風のない静かな夜のうちに出来、翌朝|旭日《
あさひ》に輝いていることが多い。新雪表面に出来た場合にはスキー家たちが「葉雪」と....
「寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
顔を出された。そしてその小さい腰かけにちょこんと腰を下《おろ》して、悠々と朝日《
あさひ》をふかしながら、雑然たる三つの実験台を等分に眺めながら、御機嫌《ごきげん....