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あの世
「あの世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
あの世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
夫さん、あなた力紙を結んで下さい。沢山結んで下さい。民子はあなたが情の力を便りに
あの世へゆきます。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」 僕は懐《ふところ》にあった紙の....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
を知ったのだ。なにが君を、そんなに恐ろしい吸血鬼にしたのだ」 「そんなことなら、
あの世への土産に聞かせてあげよう。――それは先祖から伝わる遺伝なのだよ。パチノを....
「海底都市」より 著者:海野十三
ヶ谷君。早く僕を二十年後の世界へ送りかえしてくれたまえ。今、とても重大な出来事が
あの世界で起こっているんだから……」 「ほんとに、いいのか。何べんでも、あっちへ....
「火薬船」より 著者:海野十三
んだ」 「うう、この悪魔め!」 「こういうわけだと、そのわけを聞かせてやるのも、
あの世へたび立つお前への手土産のつもりだ。もっとも、医者にみせたって、この有様じ....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
運にも、ゴンドラが地上に激突したとき、当りどころが悪くて脳震蘯を起こし、そのまま
あの世へ逝ってしまったそうである。....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。 じつに見事な腕の冴であった。相手の下士官は、ついに一発の弾丸も放たないで、
あの世へ旅立ったのだ。 「おお、この服装が欲しかったのだ」 川上機関大尉の狙っ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
震う一樹の袖を取った、私の手を、その帷子が、落葉、いや、茸のような触感で衝いた。
あの世話方の顔と重って、五六人、揚幕から。切戸口にも、楽屋の頭が覗いたが、ただ目....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ります。お二方に、これだけに思われて、縫は世界中のしあわせです――貴方、お詫は、
あの世から……) 最後の言葉でございました。」 「お道さんが銀杏返の針を抜いて....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
月日の下に、生れなすったんですけれど、廃藩以来、ほどなく、お邸は退転、御両親も皆
あの世。お部屋方の遠縁へ引取られなさいましたのが、いま、お話のありました箔屋なの....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ていた。ラザルスはじっと黙っていた。 「あなたは私たちには話したくないのですね。
あの世というところは恐ろしいでしょうね。」 こう言ってしまってから、その客は初....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、あまりつまらな過ぎますので、何卒これ位で切り上げさせて戴きましょう。私のような
あの世の住人が食物や衣類などにつきて遠い遠い昔の思い出語りをいたすのは何やらお門....
「あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
聞いて見ると、まさしくその通りでした。その中に細君が夫の科学的興味に共鳴をして、
あの世の話をいろいろして呉れたのです。例えば
あの世に行けば皆んなが神様のお祠みた....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
えり 我ながら山男なる面を撫で 鏡を伏せて苦笑するなり 洋服の姿になるも悲しけれ
あの世の母に見せられもせで 獰猛な面魂をよそにして 弱い淋しいアイヌの心 力ある....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
らないようになった。が、いっこう、それが苦にならないらしい。先年、中風の老爺を「
あの世」へ送ってからは、全く彼は呑気に、のそりのそりと牛のようにやっていたという....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
の礫を当てると、男が切戸から引込んで、すぐ膝に抱く、泣伏す場面で、 そなた一人を
あの世へやろか、二人ならでは死なせはしない、何の浮世はただ仮の宿、どうで一度は死....