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あらまし
「あらまし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
あらましの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
通り、思いもよらない急な御病気で、大殿様が御薨去《ごこうきょ》になった時の事を、
あらまし申し上げて置きましょう。
あれは確か、若殿様の十九の御年だったかと存じ....
「夢」より 著者:芥川竜之介
しゃがんだまま、せっせと葱に火をつけていた。のみならずわたしのマッチの箱もいつか
あらまし空《から》になっていた。――わたしは巻煙草をふかしながら、わたしの生活に....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
よわ》き女子《おんな》の身なりしことの口惜《くちお》しさ! 男子《おとこ》にて
あらましかばなど、言い効《がい》もなき意気地《いくじ》なさを憶《おも》い出でて、....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
一人にがんばらせないという底意を諷してかかる。 「時に土屋さん、今朝佐介さんから
あらまし聞いたんだが、一体おとよさんをどうする気かね」 「どうもしやしない、親不....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
ん。船に乗っていたが、その後脱走したそうで、わしは知らん」 この陳述によって、
あらまし筋は分って来たようである。 つまるところ、目賀野は本事件の主役ではなく....
「海底都市」より 著者:海野十三
部に排水|孔《こう》がありますから、そこから海水を押出すのです。ああここに工事の
あらましを書いた図面がありますから、これをごらんなさい」 タクマ少年は、やすん....
「怪塔王」より 著者:海野十三
をうけ、さらに元気になり、そこで一体どうして一彦ひとりが怪塔から抜け出たか、その
あらましを語りだしたのでありました。 「――僕、おどろきましたよ。だって、怪塔が....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
次と消させてゆくが、なかなかうまくゆかない。 それでも兵員がついているところは
あらまし消し終え、大事なところだけは、ほぼ闇の中につつまれた。 この報告は直ち....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
をききたいということになりました。で、私は今丁度あなたに申上げるように、帰幽後の
あらましを物語りました。私が生きている時から霊視がきくようになり、今では坐ったま....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
気がなかったのである。 今夜、私は机の前に腰をかけて抽斗を開けた。書いたものを
あらまし引裂いて棄ててしまおうとして、私はむかしの文書を選り分けにかかったのだっ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
なり」と言うに、詮方なく宿所姓名を告げ、「活版所は暑くして眠られぬまま立出し」と
あらましを話せばうなずきて、「然らばよし、されど余り涼み過ると明日ダルキ者なり、....
「寡婦」より 著者:秋田滋
したでカサとの音もたてず、降りつづく陰欝な霖雨にうたれて、轍のなかで朽ちていた。
あらまし葉をふるいつくした森は、浴室のようにじめじめしていた。一たび森へ足を踏み....
「靄の彼方」より 著者:上村松園
という場合になってみませんと、今からなんともいえないのですけれど、しかし、自分で
あらまし想像のつかないこともありません。それは、私はモダンをモダンとして、そのま....
「虹と感興」より 著者:上村松園
感興に打たれますと、案外早く図組なども心に浮かんでくるものでして、私はその時に、
あらまし立案だけは出来たのでした。 それで右の片双には、前に竹床几を置き、これ....
「広告」より 著者:伊丹万作
し捨い出して紹介しておく。 土手の木の根元に遠き春の雲 松風や日々濃くなる松の影
あらましを閉せしのみの夕牡丹 夏草や野島ヶ崎は波ばかり 眼の前を江の奥へ行く秋の....