»
いこい
「いこい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
いこいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
ほとんど休んでばかり居れば日曜もたのしくなく、夜ねても、一日がおわったという
いこいではなくて、あしたがあるというつかれを覚えています。健康をねがって終日をく....
「盲人独笑」より 著者:太宰治
れも、かたちばかり。こまつやの、おかや、きたらず。 ○同五日。おてう。ばかり。け
いこいたす。さみせん。いうぞら。さるのこくに、かへりぬ。あとわ、さびしくなりにけ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
しい奴だ。槍先が眼から離れようとはしない……武田の家来には変な奴がいる。土屋とい
いこいつと云い、不思議に武道の達人ばかりだ。エイ!」 と一つ気合を掛け、パッと....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
花瓶にかれはめずらしく花を生けた。早咲きの椿はわずかに赤く花を見せたばかりで、厚
いこい緑の葉は、黄いろい寒菊の小さいのと趣に富んだ対照をなした。べつに蔓うめもど....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
ちですか」「神社」「アツマコート」「小女山道」「昼飯」「牛を追う翁」「みかん」「
いこいつつ水の流れをながめおれば、せきれい鳴いて日暮れんとす」など、とり止めもな....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
りました」 「こいつの所業に相違ない」 「莫迦な奴だ、眠っております」 「いった
いこいつ何者であろう?」 そこで町人は覗き込んだ。 「おっ、これは葉之助殿だ!....
「電気鳩」より 著者:海野十三
。高一少年は、ボートにばくだんがあたってはなるものかと、オール(かい)を力いっぱ
いこいで、のがれようとつとめました。 ど、どかあん。ぐわうん、わわわん。 二....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
は、そうだった。それは夏の太陽みたいな、輝かしい猛烈な愛情を求める気持と、静かな
いこいのような沈んだ青色のような愛情を求める気持と。だから私は、もう過去の人へ行....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
相手にならねえ。……そこでもう一つ訊くことがある。紙に書かれた『川大丁首』いった
いこいつはどういう意味だ?」 「それがおわかりになりませんので?」徳次郎は、いく....
「おせん」より 著者:邦枝完二
持ァ、鯱鉾立をしたってわかるこッちゃァあるめえて。――ふふふ。もうひと摘み、新し
いこいつをいれ、肚一|杯にかぐとしようか」 春重は傍らに置いた紅の糠袋を、如何....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
とすれば、わずか一週間で帰れというのはむりである。これに反して、親が早く帰ってこ
いこいと始終いいつづけて反対していたのならば、一週間といえども決して短くないと、....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
せん。ただ私はそれらのゴタゴタの向こうに涼しき世界を喘ぎ求めています。その世界に
いこいの場所をつくらねばならぬと感じているだけです。どうしてよいのかわかりません....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
ろにいたりたる時、路のほとりに一つ家の見えければ、車ひく男駆け入りて、おのれらも
いこい、我らをもいこわしむ。男らの面を見れば色もただならず、唇までも青みたり。牛....
「審判」より 著者:カフカフランツ
て骨ばった顔が見え、この顔が彼の頭越しにもう一方の監視人と話し合っていた。いった
いこいつは何者だろう? 何をしゃべっているのだろう? どんな役所の者なのだろう?....
「千代紙の春」より 著者:小川未明
おじいさんは、根気よく同じことをいっていました。 そうするうちに、「これは珍し
いこいだ。」といって、買ってゆくものもありました。そして、暮れ方までには、小さな....