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いろは
「いろは〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
いろはの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い。のみならず同心円をめぐるようにじりじり死の前へ歩み寄るのである。
「
いろは」短歌
我我の生活に欠くべからざる思想は或は「
いろは」短歌に尽きている....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
この山みち。「さん・せばすちあん」は樟の木の下に船長と何か話している。彼の顔
いろは重おもしい。が、船長は脣《くちびる》に絶えず冷笑を浮かべている。彼等は暫《....
「外科室」より 著者:泉鏡花
夫人《おくさま》、ただいま、お薬を差し上げます。どうぞそれを、お聞きあそばして、
いろはでも、数字でも、お算《かぞ》えあそばしますように」 伯爵夫人は答なし。 ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
当時本郷の富坂の上に住っていた一青年たる小生は、壱岐殿坂を九分通り登った左側の「
いろは」という小さな汁粉屋の横町を曲ったダラダラ坂を登り切った左側の小さな無商売....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
る。二両で帯買うて、 三両で括けて、括けめ括けめに七総さげて、 折りめ折りめに、
いろはと書いて。―― 葛 さあ、お先達、よしの葉の、よい女郎衆ではござんせぬが、....
「電気鳩」より 著者:海野十三
した。右から三番目は、ブラジルの旗でした。 「ああ、ブラジルの旗ですね。この旗の
いろは青ですね。すると青子さんかしら」 すると、見物人はこえをそろえて笑いだし....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
り、どどんじゃじゃんと鳴らす。亀井戸寄りの町中で、屋台に山形の段々染、錣頭巾で、
いろはを揃えた、義士が打入りの石版絵を張廻わして、よぼよぼの飴屋の爺様が、皺くた....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
にふつふつと吹いて曳く囃子屋台を真中に、磽※たる石ころ路を、坂なりに、大師|道の
いろはの辻のあたりから、次第さがりに人なだれを打って来た。弁慶の長刀が山鉾のよう....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
う――これは」 と、米粒を私の目の前につきつけるようにして、 「この米粒には、
いろは四十八文字が描かれてあるのです」 と、いう。 見たところ、いやに汚れた....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
筑波を右左に眺め、池に土塀を繞らして、石垣高く積累ねた、五ツの屋の棟、三ツの蔵、
いろは四十七の納屋を構え、番頭小僧、召使、三十有余人を一家に籠めて、信州、飛騨、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
しきに、世にも 婀娜なる娘の、糸竹の 浮きたるふしなく、情も恋も 江戸紫や、色香
いろはの 手習して、小机に打凭れ、 紅筆を含める状を、垣間 見てこそ頷きけれ。 ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
て数につき、七、九、四などの数をいたく嫌忌するがごとし。昔時、江戸火消しの数に、
いろは四十七字を用い、これが組を分かつに一、二、三の数によりたりしが、この一、二....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
の飯よりは旨いなどと弱音を吹き初した。今は天麩羅屋か何かになってるが、その頃は「
いろは」といった坂の曲り角の安|汁粉屋の団子を藤村ぐらいに喰えるなぞといって、行....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
とした途端、警部は部下を顧みて、 「つづけ!」 と一声厳然と云い放った。その声
いろは別人のような鋭さがあったので、本庄は思わず驚愕の眼を瞠った。よく似ている、....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
これから直ぐに宅へいらして頂けませんか知ら?」 よく見ると夫人は憔悴して、顔
いろは青褪めているし、唇のあたりが微かではあるが痙攣している。何事かは知らず、少....