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「おめでた〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

おめでたの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
《いまだ》に彼には通じなかった。彼はこう云う点になると、実際どこまでも御目出度《おめでた》く出来上った人間の一人であった。しかしまたその御目出度さがあらゆる強者....
二つの道」より 著者:有島武郎
を言った。多くの人はこれをもって二つの道を一つの道になしえた努力だと思っている。おめでたいことであるが、誠はそうではない。中庸というものは二つの道以下のものであ....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
刹那から後は、フレンチはこの男の体から目を離すことが出来ない。この若々しい、少しおめでたそうに見える、赤み掛かった顔に、フレンチの目は燃えるような、こらえられな....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
なりません。 女房 貴女、おっしゃる通りでございます。途中でも私が、お喜ばしい、おめでたい儀と申しました。決してお歎きなさいます事はありません。 美女 いいえ、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
りです。 これで首くくりは見合わせて、二人とも生きる事になりました。ちょっと、おめでたい。 両方で瞳を寄せるうちに、松の根を草がくれの、並木下の小流から刎出....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
かいことちらちらして、常夏の花の俤立つのが、貴方の顔のあたりじゃ、と目を瞑って、おめでたを祈りましたに……」 声も寂しゅう、 「お寺の鐘が聞えました。」 「南....
春昼」より 著者:泉鏡花
否、源氏の題に、小松橋というのはありませんが、今日はあの橋の上で、) (それは、おめでたい。) などと笑いまする。 (まるで人違いをしたように粋でした。私がこ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ほほほ。」 小親は素知らぬ顔したり。重子というが寄添いつつ、 「ちょいと、何がおめでたいのさ。」 「おや、迂濶だねえ。知らないのかい。」 「はあ、何ですか。」....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
られるところよ。しかもおまえが(生命《いのち》かけても)という男だもの、どんなにおめでたかったかもしれやアしない。しかしどうもそれ随意《まま》にならないのが浮き....
栖鳳先生を憶う」より 著者:上村松園
当時の画壇に反響を与えた、よい作でありました。 七十七の喜の字のお祝いを致されおめでたい事どすと喜んで居りました。八十八のお祝いもされるだろうと思って居りまし....
火星兵団」より 著者:海野十三
かねでございます」 博士は、それを聞いて、たいへんよろこび、 「ああ、それは、おめでたい。それでこそ、わたしたちの骨おりがいが、あったというものです。さあ新田....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
ある。兄は留守でも奥の座敷へ通されて、三之助はお峰にささやいた。 「姉さん。このおめでたい矢先に、こんなことを申上げるのもどうかと思いますけれど、少し変なことを....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
云っていたのだが、だんだん貧乏人泣かせの世の中になるばかりだ。 阿香 (笑う。)おめでたいお月見の晩に、そんな泣き言を云うもんじゃないわ。じゃあ、阿母さん。 柳....
」より 著者:岡本綺堂
でおしまいだ。君のことだから、いずれ新聞か雑誌にでも書くのだろうが、春の読物にはおめでたくないからね。」 「いえ、結構です。ありがとうございました。」 「おや、....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
平吉は無言で指一本出してみせると、おやじは眼を丸くして笑った。 「そりゃ結構だ。おめでたい、おめでたい。だが、日が暮れかかったので鰻はもう奥へ片付けてしまった。....