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おろおろ声
「おろおろ声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
おろおろ声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
ょっと待ってください。夫人《おくさま》、どうぞ、御堪忍あそばして」と優しき腰元は
おろおろ声。 夫人の面は蒼然《そうぜん》として、 「どうしても肯《き》きません....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
んでもねえことになったが、まったくなんでもねえことでがすよ」と、治六も困り切って
おろおろ声になった。 「嘘をつきなんし」 「隠すと、抓《つね》りんすによ」 八....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
そうロイスは切なく、絶え入るように泣きはじめた。 「じゃ、カムポス」と、折竹が
おろおろ声で言うと、彼は、 「一番違い――動物富籖のあれがやはりこれだったよ」....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
った。 「青蘭」の窓際では、「ヒャーッ」と女給達の悲鳴があがった。泣き出しそうな
おろおろ声も混った。が、女達の後ろから同じように惨劇を目撃していた三人組の客達は....
「河明り」より 著者:岡本かの子
。 「何でも云って下さい。関いません」 私のこの言葉と、もはや、泣きかかって、
おろおろ声でいう娘の次の言葉とが縺れた。 「あなたを頼りに思い出して、あたくしは....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
う言って、この際、充分に泣けよとばかりわたくしを泣かして置いて呉れた。わたくしは
おろおろ声で、「そうばかりでもないんだけれど、今度の場合は」と言って、なおも手巾....
「怪塔王」より 著者:海野十三
、ごんな失敗をしたのです。 「う、ふふふふ、ざまを見ろ」 怪塔王は、さきほどの
おろおろ声もどこへやら、またいつものにくにくしい怪塔王のしゃがれ声にかえって、床....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
け申しましてお願い申します。助けると思召して後生でございます、私どもへ。」 と
おろおろ声で泣くようにいう。 「おや、じゃああのお茶屋の姉さんかい。」 「はい、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
思うとすぐにまた消えてしまって……。一体どうしたんだか、まるで見当が付きません」
おろおろ声でお竹がささやくのを、半七は黙って聴いていた。 「なに、今に判るだろう....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
ルメラ男爵! 「あなたが……あなたが……じゃああなたなんですか!」とボートルレは
おろおろ声。 「そうさ、今度こそ本物のアルセーヌ・ルパン、どうぞよく見てくれたま....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
貰え、な、判ったか」 父親は涙にうるんだ両眼を娘のそむけた横顔に近づけながら、
おろおろ声で頼むように言い続けた。だが政枝は寝床の上に坐ったまま、歯を喰いしばり....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
っかり気先を挫かれて、苦笑するより仕方ありませんでした。そのあと母は泣き出して、
おろおろ声で及川に頼むのでした。 「今後はこの子をあなたがいつまでも面倒見てやっ....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
き笑いの顔、それによく似た亡き母の面影までも二重になって千歳の眼に泛んだ。千歳は
おろおろ声になって、 「後生だからそんなこと言わないで、あなたはお父様にお詫びし....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
」と云って、手を合せ、 「あの、先生、弘さんは死刑になるんでございましょう?」と
おろおろ声で訊くのだった。 「さあ」 「もしも、弘さんが死刑にでもなるようでした....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
家の者じゃない、あなたの奥様に知れちゃったじゃないの。私、どうしよう」 彼女は
おろおろ声で云った。 「それがどうして、君にわかったの?」 「奥様から今朝お迎え....