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「お六櫛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お六櫛の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
んはいろいろに言って見せて、左の手に油じみた髪の根元を堅く握り、右手に木曾名物のお六櫛というやつを執った。額から鬢の辺へかけて、梳き手の力がはいるたびに、お民は....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。耕地も少なく、農業も難渋で、生活の資本を森林に仰ぎ、檜木笠、めんぱ(割籠)、お六櫛の類を造って渡世とするよりほかに今日暮らしようのない山村なぞでは、ほとんど....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
げて、 「まあ、二つに割れていることよ」 お雪の手にしたのは、まだ新しい木曾のお六櫛。 拾っても悪い、落しても悪いという女の櫛。しかもそれが自分のほかには女....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
随分名物も記してあるが、そんな物も一切目に入らなかった。ただ福島駅辺りにいわゆるお六櫛店を見たばかり。それから信州が尽きて美濃に入っては、気候もいよいよ春の酣《....
自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
原という昔から有名な、今日もこの会場の入口に陳列されておったようでありますあの「お六櫛」の産地がございます。ところが、あの漆器の製造には、どちらかと申しますと、....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ける。 おかげでお綱と万吉は、数里の道のりをいつのまにか歩いたが、御岳の薬草やお六櫛のことなどは、二人の旅に他山の石ほどの値打もない。だが、どうせ歩く道はひと....