お初[語句情報] » お初

「お初〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お初の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
うな顔つきをせずにはいられなかった。倉地は渋い笑いを笑いながら案外まじめに、 「お初に(といってちょっと頭を下げた)二人とも美しいねえ」 そういって貞世の顔を....
二つの道」より 著者:有島武郎
げうるであろう。一つの道を踏みかけては他の道に立ち帰り、他の道に足を踏み入れてなお初めの道を顧み、心の中に悶《もだ》え苦しむ人はもとよりのこと、一つの道をのみ追....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の尖から小鼻へかけて、ぎらぎらと油ぎった処、いかにも内君が病身らしい。 さて、お初にお目に懸りまする、いかがでごわりまするか、ますます御翻訳で、とさぞ食うに困....
親子」より 著者:有島武郎
の方に向いて、 「六年間|只奉公してあげくの果てに痛くもない腹を探られたのは全くお初つだよ。私も今夜という今夜は、慾もへちまもなく腹を立てちゃった。じゃこちらが....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
可うございましょう。 学円 や、これは…… 百合 貴客、今ほどは。 学円 さて、お初に……はははは、奥さん。 百合 まあ。……(と恥らう。) 晃 これ、まあ……....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
いか。さあ。(位牌を捧げ、台に据う。) 白糸 (衣紋を直し、しめやかに手を支う)お初に……(おなじく声を曇らしながら、また、同じように涙ぐみて、うしろについ居る....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
に、二階の廊下を、およそ眠いといった仏頂面で、ちょろりと来た。 「白露さん、……お初会だよ。」 「へーい。」 夢が裏返ったごとく、くるりと向うむきになって、ま....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
へ吐く。 八 老人は膝に扇子、恭しく腰を屈め、 「これは御大人、お初に御意を得ます、……何とも何とも、御無礼の段は改めて御詫をします。 さて、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、小さな堂があって、子供が四五人――午の日でした。お稲荷講、万年講、お稲荷さんのお初穂。「お初穂よ、」といって、女がお捻を下へ投げると、揃って上を向いた。青いん....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
は九十円で、しかも仕事は無制限にやらされていた。急ぐものは二、三日で書かされ、「お初地蔵」などはほとんど一晩で書いてしまつた。それで月給以外には一文ももらつてい....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
郎を見に来るというような有様でしたが、そのうちでも特別に六三郎を贔屓にしたのは、お初という女で……。年齢は二十五六だったそうですが、色の浅黒い、細おもての小粋な....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ら巻莨を口に預けたので、煙が鼻に沁む顰め面で、ニヤリと笑って、 「へい、わざッとお初穂……若奥様。」 「馬鹿な。」 「ちょっと、手をお貸しなすって。」 「馬鹿な....
清心庵」より 著者:泉鏡花
れな。咽喉が渇いて、しようがないんだから。」 「さあさあ、いまお寺から汲んで来たお初穂だ、あがんなさい。」 掬ばむとして猶予らいぬ。 「柄杓がないな、爺や、お....
三枚続」より 著者:泉鏡花
の者に対する鴨川家の家風ではない。青年は蓋し期せずして拝顔を得たのであった。 「お初に。どちらの、」とこれも鴨川をちょいと御覧ずる。 「勝山さんのお使ですって、....
雪柳」より 著者:泉鏡花
の時、ついた手が白く震えた。 「冬というよ、お冬です。こりゃ親しい同県人だ。――お初に、といわないかね。」 「お初に。」 といった時、耳まで紅く染まった。それ....