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お化
「お化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
には、不親切な所がいろいろある。現に今朝《けさ》なぞも病人にはかまわず、一時間も
お化粧《けしょう》にかかっていた。………
「いくら商売柄だって、それじゃお前、あ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
いないの。そう言ってやったら、すました顔をして、いや一遍剃ったんですが、あなたの
お化粧を待っているうちに、また伸びてしまったんですよ。どうも近代の男は、女が他の....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
水の滴りそうなのに、対に照った鼈甲の花笄、花櫛――この拵じゃあ、白襟に相違ねえ。
お化粧も濃く、紅もさしたが、なぜか顔の色が透き通りそうに血が澄んで、品のいいのが....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
にかけた手を留めた。 「その母様と云うのは、四十余りの、あの、若造りで、ちょいと
お化粧なんぞして、細面の、鼻筋の通った、何だか権式の高い、違って?」 「まったく....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
筋こぼしていた事はない。肌着も毎日のように取替えて、欠かさずに湯に入って、綺麗に
お化粧をして、寝る時はきっと寝白粧をしたんですって。 皓歯に紅よ、凄いようじゃ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
して、看護婦が着る真白な上衣が二枚、しまい忘れたのが夜干になって懸っていた。 「
お化。」 「ああ、」とばかり、お縫は胸のあたりへ颯と月を浴びて、さし入る影のきれ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
は自若として、 「そして簪を預けたいといったって、十八九で綺麗な女で、可愛らしい
お化だこと。ほんとに可愛いじゃあないかねえ、」とものおもい、もの思う様子で謂いな....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
そして背を屈めて立った処は、鴻の鳥が寝ているとしか思われぬ。」 「ええ、もう傘の
お化がとんぼを切った形なんでございますよ。」 「芬とえた村へ入ったような臭がする....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
す――あの人がまた旅へ姿見を持って出るような心掛けなら、なに、こんな処で、平気で
お化粧をする事もなかろう。 熟と見てもいられますまい。この際、どこへ持って行こ....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
手を触ったまままた俯向く。 「何、温泉宿の夜中に、寂しい廊下で出会すのは、そんな
お化に限るんだけれど、何てたって驚きましたよ――馬鹿々々しいほど驚いたぜ。」 ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
けますわ、人は騒ぐ。気の毒さも、面目なさも通越して、ひけめのあるのは大火傷の顔の
お化でしょう。 もう身も世も断念めて、すぐに死場所の、……鉄道線路へ……」 「....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
はない処に……お一人、何ともおうつくしい御婦人が、鏡台を置いて、斜めに向かって、
お化粧をなさっていらっしゃいました。 お髪がどうやら、お召ものが何やら、一目見....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
。 学円 気味が悪いな? 牡丹餅の化けたのではないですが。 百合 こんな山家は、
お化より、都の人が可恐うござんす、……さ、貴客どうぞ。 学円 これは、押出される....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
納得はしたものの、まだ何だか、不心服らしい顔色で、 「だって可いやね、皆さんが、
お化の御連中なんだから。」 習慣で調子が高い、ごく内の話のつもりが、処々、どこ....
「妖怪談」より 著者:井上円了
あります。ところが十人|十種、ある人は天狗の談を、ある人は狐の話を、またある人は
お化けのお話を、ある人は霊魂のと申されまして、なにを話してよいやら一向分かりませ....