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お嬢様
「お嬢様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お嬢様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
――そんなことも一時は疑深い彼女の心に影を落した。が、四五日いるうちにそれは全然
お嬢様育ちのお鈴の手落ちだったのを発見した。彼女はこの発見に何か満足に近いものを....
「或る女」より 著者:有島武郎
たらしい顔つきを見せたりした。
「は?」
「あのわたしどものうわさをなさったその
お嬢様のお名前は」
「あのやはり岡といいます」
「岡さんならお顔は存じ上げており....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
こはおらが口じゃ、うまく仲人《なこうど》して、二月《ふたつき》や三月《みつき》は
お嬢様《じょうさま》がご不自由のねえように、翌日《あす》はものにしてうんとここへ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
税は素直に突立ち上る。お蔦はさそくに身を躱して、ひらりと壁に附着いた。 「いえ、
お嬢様でございます。」 「嬢的、お妙さんか。」 と謂うと斉しく、まだ酒のある茶....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
留多でも取って遊ぶが可い、嫁もさぞ喜ぼう、と難有いは、親でのう。 そこで、その
お嬢様に御本家の部屋を、幾つか分けて、貸すことになりましけ。ある晩、腕車でお乗込....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
拭、片襷で、古ぼけた塗盆へ、ぐいと一つ形容の拭巾をくれつつ、 「おや、坊ちゃん、
お嬢様。」と言う。 十一二の編さげで、袖の長いのが、後について、七八ツのが森の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
さんの珊瑚を鏤めた蒔絵の櫛がうつむいた。 八 「どういたしまして。
お嬢様、お心易さを頂くなぞとは、失礼で、おもいもよりませんのでございますけれど。....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
はございませんが、余程の御大身だと申すことで、奉公人も他に大勢、男衆も居ります。
お嬢様がお一方、お米さんが附きましてはちょいちょいこの池の緋鯉や目高に麩を遣りに....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
なたのね、母様がおなくなり遊ばしたのを、御近所に居ながら鳴物もいかがな訳だって、
お嬢様が御遠慮を遊ばすんでございますよ。」 その隣家に三十ばかりの女房一人住み....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
帽の陰なる一双の眼は、極めて冷静なものである。小間使は詮方なげに、向直って、 「
お嬢様、お茶を入れて参りましょう。」 勇美子は余念なく滝太郎の贈物を視めていた....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
一方病人が出来ました。……」 「ああ、娘さんかね。」 「それは……いえ、お優しい
お嬢様の事でござります……親しく出入をしたものが、身を投げたとお聞きなされば、可....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
を着けるほどの、土地柄に珍しい扮装であるから、新造の娘とは知っていても、称えるに
お嬢様をもってする。 お縫は出窓の処に立っている弥吉には目もくれず、踵を返すと....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て前へ駆け抜けたと思うと、振返った若衆と一所に、腕車の上から見なすったのは先刻の
お嬢様、ええ、お夏さん。」 「藤お納戸の、あの脱いであった羽織を被ておいでなすっ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
「御免なさいな、私は、あの、この家のものじゃないんですよ。」 「へ、何、お邸の
お嬢様ではいらっしゃいません?」 「貴下、不可いんですかねえ、私もやっぱり見に来....
「活人形」より 著者:泉鏡花
りいやあがる。これお録、媒灼人役だ。ちと、言聞かしてやんな。老婆は声を繕いて、「
お嬢様、どうしたものでございますね。御婚礼のお目出度に、泣いていらしっちゃあ済ま....