»
お宅
「お宅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お宅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
方がなさそうに微笑した。敏子の言葉は無心の内に、もう一度女を打ったのである。
「
お宅の坊ちゃんは、――坊ちゃんでございましたわね? いつ御生れになりましたの?」....
「河童」より 著者:芥川竜之介
はゲエルにお時宜《じぎ》をした後《のち》、朗読でもするようにこう言いました。
「
お宅のお隣に火事がございます。」
「火――火事!」
ゲエルは驚いて立ち上がりま....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
たのは、荒れ果てた張氏の家でしたが、今日《きょう》はまたこういう富貴《ふうき》の
お宅に、再びこの図とめぐり合いました。まことに意外な因縁です」
煙客翁はこう言....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
弥《むらこしきんや》という者だ」 「私は水島友といいます」 「水島友? そうして
お宅は?」 白糸ははたと語《ことば》に塞《つま》りぬ。渠は定まれる家のあらざれ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
だけれども、雀のために、うちの小母さんが折入って頼んだ。 親たちが笑って、 「
お宅の雀を狙えば、銃を没収すると言う約条ずみです。」 かつて、北越、倶利伽羅を....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
浪打際との間に、築繞らした石の柵は、土手というよりもただ低い欄干に過ぎない。 「
お宅の庭の流にかかった、橋廊下の欄干より低いくらいで、……すぐ、富士山の裾を引い....
「女客」より 著者:泉鏡花
に、確に信仰していたんだね。 まあ、お民さん許で夜更しして、じゃ、おやすみって
お宅を出る。遅い時は寝衣のなりで、寒いのも厭わないで、貴女が自分で送って下さる。....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
云う俊吉が書込んだ時であった。 襖をすうと開けて、当家の女中が、 「吉岡さん、
お宅からお使でございます。」 「内から……」 「へい、女中さんがお見えなさいまし....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
視左瞻つつ、背に乱れた千筋の黒髪、解くべき術もないのであった。 「許して下さい。
お宅へ参って、朝夕、貴女に接したのが因果です。賢君に対して殆んど献身的に尽したの....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
で、今も内福の聞えの高い、子爵|千破矢家の当主、すなわち若君|滝太郎である。 「
お宅でございます、」と島野紳士は渋々ながら恭しい。 「学校は休かしら。」 「いえ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
とその期に及んで、まだ煮切らない事を私が言うと、 (主人がお宿をいたします。
お宅同様、どうぞお寛ぎ下さいまし。) と先へ廻って、こう覗き込むようにして褥を....
「滝田哲太郎君」より 著者:芥川竜之介
◇ 滝田先生の
お宅だったであろう。が、生憎その時のことは何も記憶に残っていない。 滝田君は僕....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ちょいと頼まれました、手前|使の者でございます、少々お目に懸りとうございますが、
お宅でいらっしゃいましょうか、お友達、お取次を願いとう存じますんで、へい。」 「....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
そこでもお前火災にお逢いなすったんだろうじゃないか。 もっともその時の火事は、
お宅からじゃなくって、貰い火でおあんなすったそうだけれど、ついお向うの気の違った....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
た様子で、掛金をがッちり。 その時|戸外に立ったのが、 「お待ちなさい、貴方は
お宅の方なんですか。」と、ものありげに言ったのであるが、何の気もつかない風で、 ....