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お方
「お方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
「さあここにいらっしゃい。(そういって葉子は妹たちを自分の身近にすわらせた)この
お方《かた》がいつか双鶴館《そうかくかん》でおうわさした倉地さんなのよ。今までで....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
お待ちなさいまし、旅籠《はたご》へお着き遊ばして湯にお入りなさいますのが、旅する
お方には何よりご馳走《ちそう》だと申しますね、湯どころか、お茶さえ碌《ろく》にお....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
で、雨のさみしさ、行燈の薄寒さに、心細う、果敢ないにつけまして、小児衆を欲しがる
お方の、お心を察しますで、のう、子産石も一つ一つ、信心して進じます。 長い月日....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
おうという、卑劣な癖が付いてるんだ、お察しものですぜ、ええ、親方。」 「へへへ、
お方、それ極熱じゃ。」 女房は染めた前歯を美しく、 「あいあい。」 ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
――私どもは、どうかすると一日の中にゃ人間の数より多くお目に掛る、至極|可懐しい
お方だが……後で分りました。この丘は、むかし、小さな山寺があったあとだそうで、そ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
を引張って、見はるかしの田畝道へ。……ほっとして、 (聞かして下さいまし、どんな
お方)。 (私か。) (あなた。) (森の祠の、金勢明神。) (…………) (男....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
なさりましたよ。この辺までいらっしゃいます前には、あの、まあ、伊勢へおいで遊ばす
お方に、山田が玄関なら、それをお通り遊ばして、どうぞこちらへと、お待受けの別嬪が....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ござることよ。」 「さればその事よ。まだ四十にもならっしゃらぬが、慾も徳も悟った
お方じゃ。何事があっても莞爾々々とさっせえて、ついぞ、腹立たしったり、悲しがらし....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
こればかりは看板を掛けちゃ売らないのですよ。一家秘法の銀流、はい、やい、お立合の
お方は御遠慮なく、お持合せのお煙管なり、お簪なり、これへ出してお験しなさいまし、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
』心は千々に乱れながらも、私は多少の好奇心を催さずに居られませんでした。 この
お方こそ、前に私がちょっと申上げた大国主神様からのお神使なのでございます。私はこ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
やさん、今ほどはありがとう。その厭なもののいた事を、通りがかりに知らして下すった
お方は、巌殿の方へおいでなすったというが、まだお帰りになった様子はないかい。)ッ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
顔はちっともしないで、愛想よく、 「ああ、可いともね、また礼なんぞいわせるような
お方じゃありません。」 「トおっしゃる! へへへへ、おかみさん、厭に肩を持ちます....
「活人形」より 著者:泉鏡花
声ばかり悪優しく。「へいへい、お邪魔様申します。ちとお見舞に罷出たんで。「知己の
お方かね。「いえ、ただ通懸った者でがんすがその方が強くお塩梅の悪い様子、お案じ申....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
も、地が分らなくてはと、鈎をおろさずにふいとお帰りになります。こればかりでも並の
お方の出来ないことですよ。』 『左様だて、来た以上は、少し位水色が悪かろうが、天....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ついての挿話には次のような話がある。 【古老の話 その一】 その頃柴五郎という
お方は日本人ではない。満州旗籍の出身だが日本に帰化したのだ。つまり柴大人がこのよ....