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「お染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お染の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
なしさ。それが証拠にゃ、昔のことでなけりゃ、書いたというためしはとんとげえせん。お染《そめ》久松《ひさまつ》がお染久松じゃ書けねえもんだから、そら松染情史秋七草....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
風にゆらめいていた。二人はずっと店へはいって床几に腰をかけると、これも顔なじみのお染という若い女が愛想よく茶を汲んで来たが、茶釜の前にもお里のすがたは見えないの....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
一 裏の溝川《どぶがわ》で秋の蛙《かわず》が枯れがれに鳴いているのを、お染《そめ》は寂しい心持ちで聴いていた。ことし十七の彼女《かれ》は今夜が勤めの第....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
輸入されたものだと云う噂を聞いた。しかし其の当時はインフルエンザと呼ばずに普通はお染風と云っていた。なぜお染という可愛らしい名をかぶらせたかと詮議すると、江戸時....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
またわかれになった。――しかもあの時、思いがけない、うっかりした仕損いで、あの、お染の、あの体に、胸から膝へ血を浴びせるようなことをした。―― ※せば、我が袖....
」より 著者:織田作之助
いたような字で名前が出て、間もなく登勢が女の子を生んだ時は、お、お、お光があってお染がなかったら、の、の、野崎村になれへんさかいにと、子供の名をお染にするという....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
実川延一郎が実演でこの小屋にきたので見に行つた。出しものは「肥後の駒下駄」と、「お染久松」、「土蜘蛛」、「輝虎配膳」などで、延一郎は駒平、お染とでつちの早変り、....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
、この城下に住んでいた。 旧家ではあり資産家ではあり、立派な生活を営んでいた。お染という一人娘があった。その時数え年|漸く二歳で、まだ誕生にもならなかったが、....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
しなさりませ。おやどうなされました川島様、お酒の一斗も召し上ったように顔を真赤にお染め遊ばして、どれお酌致しましょう、もう一つおあがりなさりませ、……山崎様や、....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
に不思議な芸をして見せました。一人で七役も勤めまするので、小紋三と申しますのが、お染、久松、小僧、尼、子守女、女房、雷鳴様にまでなりまする。それから忠臣蔵を致し....
京のその頃」より 著者:上村松園
て貰って、玉虫色の口唇をしたりしたのなど、ええものだった。 「桃割」「割れ葱」「お染髷」「鴛鴦」「ふくら雀」「横兵庫」「はわせ」など皆若い娘さん達の髷だが、中年....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
中幕は左団次の出しもので「鳥目の上使」であったが、その二番目代りに上演された「お染久松」の質店は面白かったと覚えている。本来は二番目に菊五郎の「弁天小僧」を出....
二階から」より 著者:岡本綺堂
輸入されたものだという噂を聞いた。しかしその当時はインフルエンザと呼ばずに普通はお染風といっていた。何故お染という可愛らしい名を冠らせたかと詮議すると、江戸時代....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
書がわたくし共と 一しょに参って、「この祭のお祝に、万民の 幸福になる件に、一筆お染下さるように」と 申すと、お書なされたので、その夜の中に 奇術を心得たものに....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
心中してくれる? 」 「あなたとなら、心中でもなんでも喜んでしますよ」 「じゃ、お染久松の死んだ川筋で死にましょう」 こう言うて菊子は、島村を引っ張るようにし....