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お気に入り
「お気に入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お気に入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
。が、画は見ていれば見ているほど、ますます神妙を加えて行きます。
「いかがです?
お気に入りましたか?」
主人は微笑を含みながら、斜《ななめ》に翁の顔を眺めまし....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
対象たるに足りるか? その神は、自己の独子の犠牲によりて、初めてその怒りを解き、
お気に入りの少数者のみを天国に導き入れて、未来永劫、自己に対する讃美歌を唄わせて....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
を放つ。峰から見透しに高い四階は落着かない。 「私も下が可い。」 「しますると、
お気に入りますかどうでございましょうか。ちとその古びておりますので。他には唯今ど....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
んすか。」 「ああ。」 また頷けば軽く頂き、帯の間に挟みしが、 「木戸のがね、
お気に入りませんだったら叱ッてもらってあげますから、腹を立てないで毎晩、毎晩、い....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
る。はぐらかすとは様子にも見えないから、若い女中もかけ引きなしに、 「旦那さん、
お気に入りまして嬉しゅうございますわ。さあ、もうお一つ。」 「頂戴しよう。なお重....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
査を慕うてもらいたいものだ」 女はこらえかねて顔を振り上げ、 「伯父さん、何が
お気に入りませんで、そんな情けないことをおっしゃいます、私は、……」と声を飲む。....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
区役所の役人で、吉弥の帰京を待っている者――たびたび花を引きに来るので、おやじの
お気に入りになっているのかも知れないと推察された。 一四 その跡に残....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ながら、やさしく中国服の少女にいった。梨花は福建省生れの美しい少女で、少将の大の
お気に入りの女給仕だ。 「では、ここに――」 と、梨花は紅茶器の盆を卓子の上に....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
ムシャムシャと甘味そうに喰べた。 「そうです、これは一種異様の味がするでしょう。
お気に入りましたか星宮君」と軍医は照れたような薄笑いを浮べ、ダンディらしい星宮理....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
娘さんの名前も居所も御存じなのでしょう。さあ教えて下さい」 「ホホホホ。そんなに
お気に入りなら、また会わせてあげますわ。その代り、どうしてもあたしの云うように早....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
世間の誤解を恐れる。そこで伯母様が心配されるのだと分った。 「吉岡さんはお兄様の
お気に入りでしたか?」 「はい。大変気に入って居りました。テキパキした方だもので....
「富士」より 著者:岡本かの子
若やぐものに触れた。 岳神の妻は、笑って冗談のようにして、 「この中に、もし、
お気に入りの娘でも見当りましたら、お身のまわりのお世話に侍かせましょう」 とい....
「影」より 著者:岡本綺堂
いねえ、この子は……。糸の切れた奴凧のように、なぜそうからみッ八のサアビスじゃあ
お気に入りますまいけれど……。 旅人 いや、どうも……。(自分の茶碗に受けて少....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
中を仕掛けさせ、それを科に又四郎を追い出そう。」 その相談を第一に受けたのは、
お気に入りのお久であった。彼女はすぐに同意した。 「そうですね。お菊どんならば色....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
れるようになった。 家来も侍女共も主人の機嫌が悪いので、みなはらはらしていた。
お気に入りの織部清治も毎日叱られつづけていた。ことに彼はさきの日、法性寺へ使いに....