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お汁
「お汁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お汁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ここへ入って休みましょう――ええ、私のお詣りはそれから、お精進だから構いません、
お汁粉ですもの。家がまた氷月ですね。気のきかない、こんな時は、ストーブ軒か、炬燵....
「女客」より 著者:泉鏡花
宵の内から転寝をするような人じゃないの。鉄は居ませんか。」 「女中さんは買物に、
お汁の実を仕入れるのですって。それから私がお道楽、翌日は田舎料理を達引こうと思っ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、直き行って来ますから、貴下帰っちゃ、厭ですよ、民ちゃんを連れて来て、一所にまた
お汁粉をね。」 酒井は黙って頷いた。 「早瀬さん、御緩り。」 と行く春や、主....
「海異記」より 著者:泉鏡花
どころか、もっと居ら、どしこと居るぜ。一つかみ打捕えて、岡田螺とか何とかいって、
お汁の実にしたいようだ。」 とけろりとして真顔にいう。 三 こ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
近附いて見ると、坂東、沢村、市川、中村、尾上、片岡、役者の連名も、如件、おそば、
お汁粉、牛鍋なんど、紫の房の下に筆ぶとに記してあった…… 松崎が、立寄った時、....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
擽られて、腰から冷通るとまで、こじつけずともの事だ。その気でお膳に向った日にゃ、
お汁の湯気が濛々と立騰ると、これが毒のある霧になる、そこで咽死に死にかねませんな....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
の新聞に二三度続けて出ていましたからね、……五日ほど前に潟の鮒を取っておいたの。
お汁の熱いのをと思ってさ。いれものが小さかったか、今朝はもう腹を見せたから、実は....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
だった」と川波大尉が、ポカポカ湯気のあがっている真黒の栄螺の壺を片手にとりあげ、
お汁をチュッと吸ってから、そう云った。 「大蘆原軍医殿は、この栄螺の内臓を珍重さ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
て、赤い御飯をよそって下さい」 黄一郎が、盃を伏せて、茶碗を出した。 「じゃ、
お汁をあげましょう」お妻はそう云って、姉娘の方に目くばせした。「みどり、ちょっと....
「ある日の先生と子供」より 著者:小川未明
た。家の外には、風が吹いていました。そして雪の上は凍っていました。 「いま、熱い
お汁でご飯を食べると、体があたたかくなりますよ。」と、お母さんは、いわれました。....
「殿さまの茶わん」より 著者:小川未明
のを喜んでお食べになりました。 季節は、もう秋の末で寒うございましたから、熱い
お汁が身体をあたためて、たいへんうもうございましたが、茶わんは厚いから、けっして....
「遊動円木」より 著者:葛西善蔵
揃ってやってきた。若草山で摘んだ蕨や谷間で採った蕗やが、若い細君の手でおひたしや
お汁の実にされて、食事を楽しませた。当もない放浪の旅の身の私には、ほんとに彼らの....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
ていると、福松君がそんな物ばかり食っているとからだに悪いからと言って、熱い御飯と
お汁を入れてくれるのでした。その夜はすばらしくたくさんの星がキラキラ瞬いていまし....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
は大きな皺が三四筋刻んだ様に深くなって居るのが恭三の眼にとまった。 「さあ早う、
お汁が冷めるにな。」 母は自烈体そうに言って箸を取った。 「うむ……。」と父は....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
て速乾漆液をそのまま柔らかな日本風の彩色筆に含ませて油絵具をきわめて薄くほとんど
お汁の状態にまで溶解してガラス面へ塗って行く方法をとっている。 それがもっとも....