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「お祖母さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お祖母さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
やの、あなたのような、のう。」 糸七は仰天した、人参のごとく真まで染って、 「お祖母さんお祖母さんお祖母さん、そんな事より、仏間へ行って、この、きれいな、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ますから、何をなさる、と口まで出ましたのを堪えていたのでござりますよ。お止しよ、お祖母さんと、その娘はまた同じことをここで云って、ぼうと紅くなる。 法然天窓は....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
太郎|稲荷の眷属が悪戯をするのが、毎晩のようで、暗い垣から「伊作、伊作」「おい、お祖母さん」くしゃんと嚔をして消える。「畜生め、またうせた。」これに悩まされたた....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
白髪に尊き燈火の星、観音、そこにおはします。……駈寄って、はっと肩を抱いた。 「お祖母さん、どうして今頃御経を誦むの。」 慌てた孫に、従容として見向いて、珠数....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
大病だった――きみのお産をして亡くなったんだ――が、きみを他所へ遣ったお父さんやお祖母さんのために、言訳ッて事もないが話がある。私も九つぐらいな時だ、よくは覚え....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
「年をとったからだよ」 「年をとるとお父さんだれでも死ぬのかい」 「お父さん、お祖母さんもここにいるの」 「そうだ」 予は思わずそう邪険にいって帰途につく。....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
から鮓ときまるから……」 省作は相変わらず笑って、右とも左とも言わない。満蔵はお祖母さんが餅に賛成だという。姉はお祖母さんは稲を刈らない人だから、裁決の数にゃ....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
子の家へ行ったのである。僕は民子の家へ行っても外の人には用はない。いつでも、 「お祖母さん、民さんは」 そら「民さんは」が来たといわれる位で、或る時などは僕が....
大脳手術」より 著者:海野十三
へ転げこむように戻るのが常だった。 鳴海の奴は、相変らずやって来ては、頭の悪いお祖母さんのような世話を焼いたり、忠言を繰返した。 「君も莫迦だよ。いくら珠子さ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
僕は、母方の親戚では、山田の伯母と、そのすぐ次の妹の米はんのお母さんと、それからお祖母さんとだけしか知らなかった。そしてこのお祖父さんについては、何にも聞いたこ....
家霊」より 著者:岡本かの子
おかみさんになるものは代々亭主に放蕩されるんだがね。あたしのお母さんも、それからお祖母さんもさ。恥かきっちゃないよ。だが、そこをじっと辛抱してお帳場に噛《かじ》....
方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
、思いついた以外には、格別見るようなこともなかった。 と、ある日――。はじめてお祖母さんのそれが、具象的なものに打衝かった。 それは、母が生前見ていた婦人雑....
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
碗を漬《つ》けに行った。その川というのが急な川で、狭かったが底はかなり深かった。お祖母さんは、いつでも兄達が捨てておけというのに、姉が留守だったりすると、勝子な....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
祖母が、私の家へばかり足|繁く来るものですからおしまいには、 『貴方の家だけで、お祖母さんを独占してはいやよ。お祖母さんお祖母さんだ、青山の家へばかり行って』....
小公女」より 著者:菊池寛
った血色のいいお母さんと、肥った血色のいいお父さんと、これもまた肥った血色のいいお祖母さんと、八人の子供と、たくさんの召使と――これが『大屋敷』の人達でした。大....