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お茶の子
「お茶の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
お茶の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「屋上の狂人」より 著者:菊池寛
ん。本伝寺《ほんでんじ》の大屋根へ足場なしに上るんやもの、こなな低い屋根やこしは
お茶の子や。憑《つ》いとる者が上らせるんやけに、どうしたって効きゃせん。 義助 ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
た。……憎くない。 尤もなかなかの悪戯もので、逗子の三太郎……その目白鳥――が
お茶の子だから雀の口真似をした所為でもあるまいが、日向の縁に出して人のいない時は....
「海異記」より 著者:泉鏡花
だか分らねえ、真水と塩水をちゃんぽんにがぶりと遣っちゃ、あみの塩からをぺろぺろと
お茶の子で、鼻唄を唄うんだい、誰が沖へ出てベソなんか。」 と肩を怒らして大手を....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
。その結果、彼は知らず識らずの裡に、スピード狂になっていた。時速四十|哩などは、
お茶の子サイサイであった。警視庁の赤オートバイに追駆けられたこともしばしばだった....
「蠅」より 著者:海野十三
。だから鉄の扉やコンクリートの厚い壁を貫くことなんか何でもない。人間の身体なんか
お茶の子サイサイである。 どこから飛んでくるか判らない宇宙線は、その強烈な力を....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
ところは、レバーの接触がよくないのだと分った。こんな故障なんか直すことは彼には、
お茶の子さいさいである。 ロータリーの翼《よく》は、新造しなくてはならないので....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
少の頃など、学校を怠けて、船で淡島へ渡って、鳥居前、あの頂辺で弁当を食べるなぞは
お茶の子だったものですが、さて、この三津、重寺、口野一帯と来ますと、行軍の扮装で....
「露肆」より 著者:泉鏡花
る法、弁ずるまでもありませんよ。……我人ともに年中|螻では不可ません、一攫千金、
お茶の子の朝飯前という……次は、」 と細字に認めた行燈をくるりと廻す。綱が禁札....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
着につけていようが、鎖を下ろしておこうが、土の中へ埋めてあろうが、私等が手にゃあ
お茶の子さ。考えて御覧、どんなに厳重にして守ったって、そりゃ人間の猿智慧でするこ....
「日月様」より 著者:坂口安吾
なぞと申しまして、鉄の格子に、扉に錠など物々しくやっておりますが、私共の方では、
お茶の子なんでございます。みんなレンラクがありまして、ワケのないことでござんすよ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ているのは偶然ではない。 しかし、天性敏活で、チョコ/\と非常線をくぐるぐらい
お茶の子サイサイの運動神経をもつ小林秀雄が大ヤジウマなのにフシギはないが、幼稚園....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
口上を忘れるな。」 坐睡をしていたのか、寝惚面で承るとむっくと立ち、おっと合点
お茶の子で飛出した。 わっしょいわっしょいと謂う内に駆けつけて、 「今晩は。」....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
時々むずかしい事をいいます。)気違が何や……癩でも治るがに。胃腸なぞはそりゃに、
お茶の子じゃぞ。すぐに一灸で、けろりとする。……腹を出しなされ、は、は、は、これ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
――一座の花形ですもの。火遁だって、土遁どろどろどろ、すいとんだって、焼鳥だって
お茶の子だわ。」 「しかし、それにしてもだね。」 「苦労性ね、そんな星かしら。」....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
むこともある。その危険は非常であるけれども、ヒマラヤ山を踰えた危険に比すれば誠に
お茶の子で訳なく進むことが出来ました。
時頃に山の間の小さな流れのところに着きま....