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「お釜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

お釜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖怪学」より 著者:井上円了
いう。 青山、葉山、羽黒の権現ならびに豊川大明神、あとさきは言わずに中はくぼんだお釜の神様 案ずるに、この語もとより妖怪を招くの力を有するにあらず。しかして、....
妖怪談」より 著者:井上円了
えずくる、釜は常にかむってはおられませず、どうしたらよかろうと思案いたしました。お釜は金でつくられたものである。してみると、金なれば狐はこれを破ることはできぬも....
白光」より 著者:井上紅梅
た。祖母は彼女の祖母から聴いた話をした。陳氏の先祖は大金持だよ。この部屋は先祖がお釜を起したところで、無数の銀が埋めてあるそうだから、子孫の中で福分のある者がそ....
金属人間」より 著者:海野十三
づるが、三日目にはかれは思い切って、おなじ露店商《ろてんしょう》から電気コンロとお釜お釜のふたとを買って如来荘《にょらいそう》へもどった。 かれの考えでは、....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
。そう言う道を通って、二十町も登ると、高湯とは別な湯元がある。小さな湧き場だが、お釜と言って、三山の湯殿山を思わせる様な恰好で、温泉が岩伝いに落ちて居る。此湯は....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
はただ両つの白眼ばかりの、部厚な唇だけを朱紅に染めてから、てっぺんから孔のあいたお釜帽子に、煤いろの襤褸の腐れ鰊の臭気でも放ちそうなのに、縄帯をだらしなく前結び....
和尚さんと小僧」より 著者:楠山正雄
いでは白状しませんよ。釜うでにしておやんなさい。」 といいました。そこで大きなお釜にいっぱいお湯を沸かして、金仏さまをほうり込みました。すると間もなく、お湯が....
ジャックと豆の木」より 著者:楠山正雄
のお上さんは、まただまされて、中に入れました。そして、大男がかえると、あわてて、お釜のなかにかくしてくれました。 鬼の大男は、へやの中じゅうかぎまわって、ふん....
山姥の話」より 著者:楠山正雄
二|階からそっとのぞいてみますと、折からさし込む月の光で、さっきの山姥が、台所のお釜の前に座って、独り言をいっているのが見えました。 「今日は久し振りでごちそう....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
な池があって、人の鯉屋と呼ぶ家がありました。そこには気の少し変な中老の女がいて、お釜を洗って底の飯粒を寄集めては、「おいしい、おいしい」というのが聞えるというこ....
」より 著者:島崎藤村
ンザン苦労させたから、今度は乃公が勤めるんだなんて、阿父さんが暗いうちから起きてお釜の下を焚付けて下さるんです……習慣に成っちゃって、どうしても寝ていられないん....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
るから、菓子の買い食いも出来ないで、始終空腹を我慢して居った。それゆえ下女が毎朝お釜を洗う時、釜底にへばりついているおこげやお櫃についている僅かの飯粒を、手で掬....
唖の妖女」より 著者:田中貢太郎
りと天井の方へあがりはじめた。これには女房も蒼くなって、 「ああ、もしもし、そのお釜をお取りあげになることだけは、どうぞおゆるしくださいまし、どうぞお返しを願い....
新世帯」より 著者:徳田秋声
見給え、同じ働くにも、どんなに張合いがあって面白いか。あの女なら請け合って桝新のお釜を興しますと、小汚い歯齦に泡を溜めて説き勧めた。 新吉は帳場格子の前のとこ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
帰るのを待っていた瑠美子と、縁側で翫具を並べて遊んでいた。細かい人形、お茶道具、お釜に鍋やバケツに洗濯板、それに色紙や南京玉、赤や黄や緑の麦稈のようなものが、こ....