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かいな
「かいな〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
かいなの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
誘惑を感じはじめる。もう五分、――いや、もう一分たちさえすれば、妙子は達雄の腕《
かいな》の中へ体を投げていたかも知れません。そこへ――ちょうどその曲の終りかかっ....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
の奥に、句と書と篆刻《てんこく》とを楽しんでいた。だから露柴には我々にない、どこ
かいなせな風格があった。下町気質《したまちかたぎ》よりは伝法《でんぼう》な、山の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
色《なないろ》の色硝子《いろガラス》のランタアンをともし、脚《あし》の高い机に向
かいながら、厚い本ばかり読んでいるのです。僕はある時こういうマッグと河童の恋愛を....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
連結してある食堂車の中へ避難した。
食堂車の中はがらんとして、客はたった一人し
かいない。本間さんはそれから一番遠いテエブルへ行って、白葡萄酒を一杯云いつけた。....
「少年」より 著者:芥川竜之介
《けんえつ》した。もっとも軍隊とは云うものの、味かたは保吉《やすきち》とも四人し
かいない。それも金釦《きんボタン》の制服を着た保吉一人を例外に、あとはことごとく....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
ざ彼女を銀座《ぎんざ》の裏のあるレストオランへつれて行った。たね子はテエブルに向
かいながら、まずそこには彼等以外に誰もいないのに安心した。しかしこの店もはやらな....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
で湯にはいって、それから、自笑軒へ飯を食いに行った。僕はそこで一杯の酒を持ちあつ
かいながら、赤木に大倉喜八郎と云う男が作った小唄の話をしてやった。何がどうとかし....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
で、格別いつものように、とり上《のぼ》せる気色《けしき》もない。宇左衛門は、気づ
かいながら、幾分か安堵《あんど》して、その日はそのまま、下って来た。
それから....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
恥じず、ふざけ合っていたが、やがて、男は、振りかえり振りかえり、何かしきりにから
かいながら、辻を東へ折れてしまう。女は、くびすをめぐらして、まだくすくす笑いなが....
「春」より 著者:芥川竜之介
よ。」
「あの人は次男か三男かなの?」
「長男――って云うのかしら? 一人きりし
かいないんですって。」
広子はいつか彼等の話が当面の問題へはいり出した、――と....
「竜」より 著者:芥川竜之介
も呆気《あっけ》にとられて、曲った腰をのしながら、『この池に竜などが居りましょう
かいな。』と、とぼんと法師の顔を見上げますと、法師は反って落ち着き払って、『昔、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
入江を隔てた南岸の森の蔭、そこにホンの形ばかりの仮家を建てて、一|族の安否を気づ
かいながら侘ずまいをして居りました。只今私が祀られているあの小桜神社の所在地――....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
高い声で笑いながら話しあっていました。 お百姓はマルコを自分の前に立たせ皆にむ
かいながらこう叫びました。 「皆さん、しばらくわたしの話を聞いて下さい、ここにか....
「或る女」より 著者:有島武郎
たはなんでも人と違ったものが好きなんだと思ったんですよ」
「どこまでも人をおから
かいなさる……ひどい事……行っていらっしゃいまし」
と情を迎えるようにいって向....
「或る女」より 著者:有島武郎
お日和《ひより》ね。今夜あたりは忙しんでしょう」
と葉子は朝飯の膳《ぜん》に向
かいながら女中にいってみた。
「はい今夜は御宴会が二つばかりございましてね。でも....