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「き印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

き印の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
の上をかさかさと小さい音をたてて歩き廻り、何やらこまかく、ほそく、墨の足跡をえがき印し散らしたみたいな、そんな工合いの、幽《かす》かな、くすぐったい文字。その文....
逆行」より 著者:太宰治
建築物。これは講堂である。われはこの内部を入学式のとき、ただいちど見た。寺院の如き印象を受けた。いまわれは、この講堂の塔の電気時計を振り仰ぐ。試験には、まだ十五....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
丁《でばぼうちょう》が捨ててあった。柄《え》の所に片仮名《かたかな》のテの字の焼き印のある、これを調べると、出刃打ちの用《つか》っていた道具だ。それに今の片袖が....
ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
記事で全紙の大部分を埋め、そのほとんど無意味な出来事が天下の一大事であるかのごとき印象を与えると、乙社で負けてはいないで、直ちに「かばの舞踊会」を開催してこれに....
電気鳩」より 著者:海野十三
ました。見物人もほんのすこしです。 「へんだなあ」 とおもったのですが、そのとき印度服をきた鳩つかいが、金ぴかの鳥かごを手にさげて、ぶたいにあらわれました。 ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
て、それだけの時間や何かで計り知れぬ印象をうけますから、この間うち、ものをかくとき印象から脱するためにもかえって早昼をたべてすこしずつ、三十分ぐらい眠りました。....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る光耀を。真の白日に比較すれば、それは夜である。しかもその夜の消滅は、日食のごとき印象を与えた。 ルイ十八世は再びパリーにはいった。七月八日の円舞踏は三月二十....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
い意味である。その他普通の用語にしても女といえばなんとなく卑《いやし》めるがごとき印象を受ける。わが輩は常に女といえばただちに母ということを頭脳に思い出すから、....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
、それが如何にも神の言葉であるかの如く、その人間は如何にも神そのものであるかの如き印象を一般の民衆に与えることが非常に大事であります。それが一つです。 もう一....
黒い手帳」より 著者:久生十蘭
頬が少年のそれのように生々とかがやき、あたかも真紅の二つの薔薇が咲きだしたかの如き印象をあたえた。やがて彼はいった。「ひとりでしゃべったが貴様の用はなんだ」自分....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
かへ行ってしまいたいのさ」 閑山老は眼をぱちくり。 ――これは、ことによるとき印《じる》しかな? だが、そうも見えないぞ――。 とっさに思案がつかずにい....
双面獣」より 著者:牧逸馬
跡と思われる凹みが残っていた。ほかには、附近何処を探しても子供の靴のあとと認むべき印しは一つもなかった。男の足跡は大きく深く、普通人より重量のある、大柄な人物に....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
絵各時代の制作品を把《と》つてこれを通覧するに、余は鈴木春信の板画によりて最も深き印象を与へられたり。 春信の板画には菱川《ひしかわ》一派の板画に現はれたる元....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
いろいろいわれていて、ことにこのくらいの歌ならば定家でなくても選べるという恐るべき印象論まで出ているが、たとえ定家でなくてもすべて『二四代集』の歌であるのを見れ....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
数を頼んで、懲罰委員会においてはその審議を引延ばし、取消せば事は済むというがごとき印象を与えておるのであります。 政治家にとって最も必要なことは、発言であり、....