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くの字形
「くの字形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
くの字形の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
――投げ出した、左手から左足までが一文字に垂直の線をなしていて、右手と右足とが、
くの字形にはだけ、なんとなく全体の形が、Kobold のKを髣髴とするもののよう....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
落した。スーッと空中に線を引いてボーンと地響きがする。投下爆弾! 三機である。
くの字形に距離を置いてとんでくる。古巣のような、この街の上空に大きな円を描いて翔....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
について落ちて行った。 暫らくして、両脚を踏ンばって、剣を引きぬくと、それは、
くの字形に曲っていた。 その曲ったあとがなかなかもとの通りになおらなかった。殺....
「伸子」より 著者:宮本百合子
いるが、伸子の頬や唇がひやひやで、強《こわ》ばるようであった。 橋を一つ渡る。
くの字形に崖に挾まれた急坂を登りきると、行手に古風な温泉町が現れた。坂沿いの両側....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
けている。……私の直ぐ背後には青塗の巨大な貨物自動車が向うむきに停車している……
くの字形になった自転車と、無残に壊れた空瓶の群が私の足下に散らばって、茶褐色の醤....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
ると、補助翼をぶらぶらにした機翼はひどい羽ばたき振動を起こして、そのために支柱が
くの字形に曲げられることがわかった。ところが、前述の現品調査の結果でもまさしくこ....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
を匐っていった。モグラ下士のいったロケット爆弾を一眼見たいと思ったからであった。
くの字形になったベトンの角を一つ曲ると、次の塹壕の突きあたりのところに、なるほど....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
妙にシーンとしていた。 工手の屍体は、アンペラで覆われた丸山技師の屍体の側に、
くの字形に曲って投げ出されていた。伸びあがって瓦斯の排出工合を検査している隙に、....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いうものは、不思議な強味を与えるのである。お綱は、それを拾って、暗闇の畳の上へ、
くの字形に体を投げた。 「――喚いたところで、しようがありゃしない」 自分で自....