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くり返し
「くり返し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
くり返しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ばし》に、岸の青蘆《あおあし》に、猪牙船《ちょきぶね》の船腹にものういささやきを
くり返していたのである。
ことにこの水の音をなつかしく聞くことのできるのは、渡....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
が、ステッキの先へハンケチを結びつけて、それを勢いよくふりながら「兄さん万歳」を
くり返している。……
後甲板《こうかんぱん》には、ロシアの役者が大ぜい乗ってい....
「白」より 著者:芥川竜之介
散《けち》らし、往来どめの縄《なわ》を擦《す》り抜け、五味《ごみ》ための箱を引っ
くり返し、振り向きもせずに逃げ続けました。御覧なさい。坂を駈《か》けおりるのを!....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
てやった。その内に酔《よ》っている同僚の一人が、コニャックの杯《さかずき》をひっ
くり返した。それに驚いてあたりを見ると、いつのまにか日本人の赤帽は、カッフェから....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
辞め、鈴木委員長実現とともにまた書記長にもどったが、社会党はこれから分裂、統一を
くり返し、書記長として党内をとりまとめるのに非常に苦労をした。 書記長の仕事は....
「或る女」より 著者:有島武郎
始めてくいかいだ原人のような渇欲をわれにもなくあおりたてて、事務長の心の裏をひっ
くり返して縫い目を見窮めようとばかりしていた。おまけに青年の肩に置いた葉子の手は....
「或る女」より 著者:有島武郎
飲ませようとした結果、貞世はそこにあったソップ皿《ざら》を臥《ね》ていながらひっ
くり返してしまったのだった。そうすると葉子はいきなり立ち上がって貞世の胸《むな》....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
といえば家の焼けあとの変わりようもひどいものだった。黒こげの材木が、積み木をひっ
くり返したように重なりあって、そこからけむりがくさいにおいといっしょにやって来た....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
かみさんがデンマルク語を知らないことがわかったので、こんどはドイツ語で同じ註文を
くり返しました。その言葉と服装から、おかみさんは、この客をてっきり外国人だとおも....
「聖書」より 著者:生田春月
はこの先輩の声援にすっかりいい気持になって、その聖書をまた手に取ってしきりに引っ
くり返しながら、いつになく盛んに気焔を挙げた。 帰る時に、僕があまりその聖書を....
「橋」より 著者:池谷信三郎
夜曲を奏していた。若い女中が奥さんの眼をかすめて、そっと高砂の式台の定価札をひっ
くり返してみた。屋上庭園では失恋者が猿にからかっていた。喫煙室では地所の売買が行....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
著である。殊にヨーロッパでは強力な国家が狭小な地域に密集して永い間、深刻な闘争を
くり返し、科学文明の急速な進歩に大なる寄与をなしたけれども、その覇道的弊害もます....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
なら、お化で、またその人ならその人で、言いたいことが一切経、ありったけの本箱を引
くり返したのと、知っただけの言を大絡にしたのが、一斉に胸へ込上げて、咽喉で支えて....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
を傷つけこそすれ、決して真の意味の政治に役立つはずはないと私は今にして確信する。
くり返していう。芸術は何よりもまずその民族のものである。したがつて自己の所属する....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
ない。 ○演出者が意識して演技の中に偶然を利用しようとする場合は無反省にテストを
くり返してはいけない。たとえば非常にアクロバティックな演技や、子役を使う場合など....