く文字[語句情報] » く文字

「く文字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

く文字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
しないかと云うと、そうではない。芝居の好きな人は矢はり覗きに行くのですが、まったく文字通りに「覗き」に行くので、大手をふって乗り込むわけには行きません。勿論、武....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
どこから吹いて来るのか知らないが、一陣の涼風が青い影をゆるがして颯と通る。まったく文字通りに、涼味骨に透るのであった。 「涼しいなあ。」と、私たちは思わず声をあ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
やとした色の白い相手の顔をながめる。しかし金兵衛の言うとおり、あの時の大通行は全く文字どおり前代未聞の事と言ってよかった。同勢およそ千六百七十人ほどの人数がこの....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、あのお美しい桔梗様を、愛し崇めていない者は、一人もないのでございますよ。まさしく文字通り女王様でござる。だからどうしてもあの方だけは、永遠の処女で置かなければ....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
つ》も、やった。昨日もやった。今日もやった。だから、明日も、やるであろう。 書く文字は、いつも同じである。 “未来の地下戦車長、岡部一郎” 毎朝、この文字を....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
うな文字が書いてあった。ずっと睡らずに夜中まで見詰めていると、文字の間からようやく文字が見え出して来た。本一ぱいに書き詰めてあるのが「食人」の二字。 このたく....
貞操問答」より 著者:菊池寛
易に寝つかれず、幾度も寝がえりして、二時を聞くまでは、寝わずらっていたが、間もなく文字どおり、前後不覚な深い眠りに落ち、部屋に射し込む暑い午前の日ざしに、眼が覚....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
屋は美しく明るかったが、その燈光に照らされながら、森々と廻っている独楽の面へ、白く文字が現われた。 「屋の財宝は」という五つの文字であった。 「屋の字の上へ淀と....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
型ではない希臘型の、顫えつきたいような立派な鼻、その口は――平凡な形容だが――全く文字通り薔薇のようだ。可愛らしく小さい紫色の靴、形のよい細っそりとした黄色い手....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
り上げている、まだ十八、九の年ごろの娘が、一軒一軒お長屋の土塀へ、楽書きをして行く文字といえば、このような一首の和歌なのであった。 京都所司代の役目といえば、....
停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
けばいいのでした。 お供といって、別に謙遜の意味でも何でもございません。まったく文字通りのお供に相違ないのでございます。というのは、水沢継子さんのお兄さん――....
九月四日」より 著者:岡本綺堂
小さい丘のようなものが幾ヵ所も作られて、そこにも雑草がおどろに乱れている。まったく文字通りに荒凉たるありさまで、さながら武蔵野の縮図を見せられたようにも感じられ....
御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
、どこから吹いて来るのか知らないが、一陣の凉風が青い蔭を揺がして颯と通る。まったく文字通りに、凉味骨に透るのであった。 「凉しいなあ」と、私たちは思わず声をあげ....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
て、エッゲはまた仕事をつづけます。こうして、エッゲは十二時間にわたっていよいよ深く文字を刻んでいきます。最初の六時間には受刑者はほとんど以前と同じように生きてい....
」より 著者:神西清
もとより、一人として飢餓性もしくは発疹性のチフスに感染せざるはなく、村民ことごとく文字どおり罹病いたしております。女医補の曰く、一歩農舎に入りて賭るところは何ぞ....