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こそこそ話
「こそこそ話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
こそこそ話の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
答えてまた自分の室に帰りました。しかし黙って自分の机の前に坐《すわ》って、二人の
こそこそ話を遠くから聞いている私を想像してみると、何だか落ち付いていられないよう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はあの熊と昵近だというじゃあねえか。まあ、それはそれとして、お前は今の魚商と何を
こそこそ話していたんだ」 お初は俯向いて立っていた。 「いや、隠しても知ってい....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
、おぼえただ。」 「おらも、おぼえただ。あすこの穴にぶち込めばええだ。」などと、
こそこそ話合っている。仲間にはいりたい様子である。 兄さんが、「やってごらんな....
「一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
次の部屋の前にある縁側の方から、もう一人別なスパイが首から先に上って来て、山口と
こそこそ話し、しかも抜け目なく襖一重のこっちの気勢を監視しているのがわかる。連れ....
「火のついた踵」より 著者:宮本百合子
ね。そういうことをおっしゃるために、わざわざ薔薇をだしにお使いになったの? 私、
こそこそ話は大嫌いよ。それに(力を入れ)――私は、ちっとも、貴方になんか助けて頂....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
もすこぶるまじめでない。彼らはかれを信じたらしく見えない。かれはその背後で彼らが
こそこそ話をしているらしく感じた、 次の週の火曜日、ゴーデルヴィルがその戸口に....
「影法師」より 著者:豊島与志雄
来るわけはありません。 ところが、ある日、皆がやはりそこに集まって、同じことを
こそこそ話し合っていますと、いつのまにどこからやって来たか、髪の長い見馴《みな》....
「蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
子に響く。 青年は見向きもせず、はははと笑い、ボックスの奥に引っ込んで、相手と
こそこそ話しだし、壮年も自分のボックスに引っ込んで、杯を挙げてるらしい。 彼等....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
そうな顔をしてこの老人を見つめているあいだに、バルブレンと居酒屋の亭主は低い声で
こそこそ話をしていた。わたしのことを話しているのだということがわかった。 バル....
「女難」より 著者:国木田独歩
上にあがり茶の間の次ぎに入りました。しばらく出て参りません、その様子が内の誰かと
こそこそ話をしているようでした。間もなく出て参りまして、今度は優しく、 『お上り....
「おせん」より 著者:邦枝完二
にそんな大きな声なんざ、出さねえでくんねえ」 「何をいってるんだ。これがおめえ、
こそこそ話にしてられるかい。おいらァ誰が好きだといって、浜村屋の太夫くれえ、好き....
「城」より 著者:カフカフランツ
るように見える今は――妹がバルナバスとわたしとを見、わたしたちがいっしょに坐り、
こそこそ話し合っているのを見れば、妹にもたやすく見わけられるはずですが――、使者....
「変身」より 著者:カフカフランツ
ところへ急いでいき、身体全体をドアに圧しつける。ことにはじめのうちは、たといただ
こそこそ話にしろ、何か彼についてのことでないような話はなかった。二日のあいだ、三....