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ごろた石
「ごろた石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ごろた石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のかと与七は上からのぞいてみると、半七はうず高い塵芥のあいだを踏み分けて、大きい
ごろた石のかげから重ね草履の片足を拾い出した。かれは湿った鼻緒をつまみながら与七....
「白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
のところでも僅かな平地に日当り悪そうな三階建が立ちかかっていた。一雨で崩れそうな
ごろた石の石垣について曲り、道でないような土産屋の庇下を抜けると、一方は崖、一方....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
ノク》には、村の市場より数倍の店と群集と、いろんな匂いとがある。市場のモスクワ式
ごろた石の通路では、花キャベジの葉っぱ、タバコの吸殻、わら屑、新聞の切れっ端が踏....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
て帰って来たもの……そして、それからいい労働者になった……」 電車通りへ向って
ごろた石を敷きつめた早朝の通りは、働きに出る男女の洪水だ。こっちからむこうへ行く....
「新しきシベリアを横切る」より 著者:宮本百合子
ンゴリア共和国である。 十一月二日。晴れたり曇ったり。 列車の窓とすれすれに
ごろた石の山腹がある。ひる頃外を見ても、やっぱりそれと瓜二つな
ごろた石の山腹が窓....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
南北、何方か医王山道とでも鑿りつけてあればまだしもだけれど、唯河原に転っている、
ごろた石の大きいような、その背後から草の下に細い道があるんだもの、ちょいと間違え....
「十四日祭の夜」より 著者:宮本百合子
祭《カトルーズ》に毎年行われる。 映画の「巴里の屋根の下」に撮されているような
ごろた石を鋪道にしたような裏通りまで、カフェーの前あたりはもとより往来のあっちか....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
い柔かい枯草山や海やを左手に眺めて海岸の上を走り、二時間ばかりで温泉につきます。
ごろた石の坂道で歩くのには工合よろしくないが部屋からすぐ海上に大島が見え温く、昨....
「赤ずきんちゃん」より 著者:楠山正雄
。もう、よわって虫の息になっていました。赤ずきんちゃんは、でも、さっそく、大きな
ごろた石を、えんやらえんやらはこんできて、おおかみのおなかのなかにいっぱい、つめ....
「おおかみと七ひきのこどもやぎ」より 著者:楠山正雄
でも、おかあさんやぎは、こどもたちをとめて、 「さあ、そこらで、みんな行って、
ごろた石をひろっておいで、この罰あたりなけだものが寝ているうちに、おなかにつめて....
「台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
るのに驚かされる。だが、それらの水色の湖水は、現実には単なる河床に過ぎない。或は
ごろた石の、或は砂利や砂の、広い河床であって、雑草が茂り、自由耕作がなされてる部....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
く、第一国語に還元するからである。或は初めから詩語として用いられずに、対話の中の
ごろた石・丸太棒として転がっているに過ぎないからである。私などは、今の作者の中、....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
るる処ばかりであろう。 三|間幅――並木の道は、真白にキラキラと太陽に光って、
ごろた石は炎を噴く……両側の松は梢から、枝から、おのが影をおのが幹にのみ這わせつ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
声がする。 ひどい自動車である。幌は破れ、車体は彎み、タイヤは擦り減り、しかも
ごろた石の凸凹の山坂道を駛り上るのである。揺れるの揺れないのでない。これが樺太横....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
する予定であるから、少し早いが此処で昼食を済し、僅ばかりの買物をして町を離れた。
ごろた石の敷かれた真すぐな道が、何処までも私達を引張って行く。木蔭が少ない上に風....