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し掛かる
「し掛かる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
し掛かるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
とんちゃく》ない。 やがて午前十時になったので、切符を購《もと》めて出札口に差
し掛かると、 「ドッコイ、お待ちなさい。これは水戸行の汽車ではありません。水戸行....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
様の屋敷――片側は旗本と御家人の屋敷が並んでいる。堀を前にした立花の屋敷の所へ差
し掛かると、この辺一帯は溝渠が開いて水が深く、私と松どんとは、じゃぶじゃぶと川の....
「環礁」より 著者:中島敦
を思い切り高く上げ手を大きく振りつつ、あらん限りの声を張上げて(校長官舎の庭にさ
し掛かると、また一段と声が大きくなったようだ)朝の椰子影の長く曳《ひ》いた運動場....
「牛人」より 著者:中島敦
! 余《われ》を助けよ、と思わず救を求めると、その黒い男が手を差伸べて、上からの
し掛かる無限の重みを支えてくれる。それからもう一方の手で胸の上を軽く撫《な》でて....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
て――。
「ウーム」
答えるともなく呻いて、眼を開けた丹下左膳の瞳に、上からの
し掛かるようにのぞいている顔が映った。一人《ひとり》、二人《ふたり》、三|人《に....
「魔像」より 著者:林不忘
かげん》の月が白かった。 あれから真っ直ぐに大通りへ出て、間もなく、九段下へさ
し掛かる。 一行五人、ぶらぶら歩きである。夜道《よみち》だ。主従《しゅじゅう》....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
う譚から出たらしいは、この辺で熊野の神が、田辺町より三里足らずの富田の海辺に鎮坐
し掛かると、波の音が喧しい、それを厭《いと》うて山へ上ると松籟《しょうらい》絶え....