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し掛ける
「し掛ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
し掛けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ので、昔馴染みの富子のために町の芸妓たちをも駆りあつめて、初日の晩から花々しく押
し掛けるとのことであった。 「何分よろしくお願い申します。」と、人気商売の富子は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かに繁昌して、近所へ茶店や食い物屋がたくさんに店を出して、参詣人が毎日ぞろぞろ押
し掛けるという騒ぎでしたが、一年ぐらいで又ぱったりと寂しくなりました。神様にも流....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う女に絵をかかせて、その偽物を丸多に押しつけて……。それから入れ代って万次郎が押
し掛ける。やっぱり俺の鑑定通りだ……。今の話じゃあ、万次郎という奴はあんまり度胸....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
考えていると、紀代子は足早に傍を通り過ぎようとした。豹一は瞬間さっと蒼ざめた。話
し掛ける言葉がなぜか出て来ない口惜しさだった。 (この一瞬のために二時間を失うて....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。ところで私はシナの文字をどしどし書き立てて、お前これが分るか、分るかと言って話
し掛けると、その人は笑いながら、よしてくれろ、チベット語で話をしたいということに....
「家」より 著者:島崎藤村
て、一寸階下へ降りた。 老人や母や勉は長火鉢の周囲に集っていた。三吉は友達に話
し掛けるような調子で、勉に話し掛けた。 「へえ、今度も商用の方ですか」 「ええ、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
しているものであるが、病気にて帰っているのだということです。私は気の毒に思い、話
し掛けると、ぼんやり坐っていた青年は私に挨拶をしていうには、 「私は、今、父の申....
「乞食学生」より 著者:太宰治
せず、ソファに並んで坐って一つの煖炉の火を見つめながら、その火焔に向って交互に話
し掛けるような形式を執《と》るならば、諸君は、低能のマダムと三時間話し合っても、....
「省察」より 著者:デカルトルネ
あるから、少くともかかる像を空虚で偽のものとして無視しよう。そしてただ、自分に話
し掛けることによって、またいっそう深く洞観することによって、私自身を漸次私にいっ....
「それから」より 著者:夏目漱石
と云う問題を解決しようと試みた事があった。夜、蒲団へ這入って、好い案排にうとうと
し掛けると、ああ此所だ、こうして眠るんだなと思ってはっとする。すると、その瞬間に....
「門」より 著者:夏目漱石
口、 「困ったな」と云った。昔のように赫《かっ》と激して、すぐ叔母の所へ談判に押
し掛ける気色《けしき》もなければ、今まで自分に対して、世話にならないでも済む人の....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
人の顔を覗いては、調べ革のように流れ動いている。 この首実検にも徒らに閑人が押
し掛けるばかりで、何ら目的とする身許判明の手懸りは得られそうもないので、もう屍体....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
れでも何でも月にいっぺん、親しく大師匠の墓前へ立って、まるで生きている人にでも話
し掛けるよう、己の昨今を報告し、あわせて、芸運長久のほどをひたすら祈ってかえって....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
の砂糖漬けだの青梅から作った梅酒などを※子達にすすめた。 お久美さんは※子の話
し掛けるのを待ち兼ねて居る様にしてじいっと座って居た。 ※子も亦たった一度でも....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
しめだし》を食った。近所の娘が一人やはり同じように閉出を食っている。娘は息子に話
し掛ける。息子がおじの内へ往って留めて貰うより外はないと云うと、娘が一しょに連れ....