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すき間
「すき間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
すき間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
のも察せられた。甘ずっぱく立てこもった酒と煙草《たばこ》の余燻《よくん》の中に、
すき間もる光線が、透明に輝く飴色《あめいろ》の板となって縦に薄暗さの中を区切って....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
音や味噌する音が始まった。予も子どもをつれて裏の田んぼへ出た。 朱に輝く夕雲の
すき間から、今入りかけの太陽が、細く強い光を投げて、稲田の原を照り返しうるおいの....
「妖怪学」より 著者:井上円了
らの田虫消ゆという。 (一二)脚気の呪術 雪駄の鉄を人通り繁き所の石垣の
すき間へ、人の見しらぬようにかたく狭みおけば、必ずその験ありという。 (一....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
金魚が寒鯉のように動かずじっとしていると心配になるとみえて、竹のきれをもって来て
すき間から金魚をついてみて金魚が動くとさも安心した顔をするのである。 私は静か....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
。その力は、ものすごく強かった。博士はドアを開けさせまいとして、奮闘した。ドアの
すき間からガウンの腕がのびた。博士はのどを絞めつけられ、把手をはなした。博士はガ....
「海底都市」より 著者:海野十三
かえしたいと思って、碗の内側をぐるぐると這《は》いまわった。が、どこにも脱けだす
すき間は見つからなかった。 僕は、透明な碗のふちに手をかけて、この碗を持ちあげ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
おもうとき、帆村おじさんの心配はひととおりではありません。 帆村探偵は、階段の
すき間から、そっと三階の様子をうかがいました。 部屋のなかには、弱いスタンドが....
「火星兵団」より 著者:海野十三
かして相手の顔を見たいものだと、先生は顔をくしゃくしゃにしながら、目かくしの間に
すき間を作ろうとしたが、なかなかうまくいかない。そうした先生の心をなおさらいらい....
「金属人間」より 著者:海野十三
ど文献《ぶんけん》を読むことに夢中になっていたので、Qはそのうしろを抜けて、戸の
すき間から廊下へ抜け出した。わかるだろう」 「ええ、よくわかりますとも」 「それ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
の瓦斯を睨みながら、さかんに手をふった。彼は、勇敢にも時々防毒面と頭との間に指で
すき間をつくり、瓦斯の臭をかぎわけようとつとめた。 地上の地獄 ウウウー....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
秘密通路にながれこんだ石油は、どうなるか――まずあの監禁室にはいり、それから扉の
すき間から外へあふれだし、やがて川のようになって、廊下をながれ、中央発電所の空気....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
こむところまで、行ってみた。四本の電灯で、それをよく見ると、となりの部屋との間の
すき間らしい。 だが、となりの部屋へは、かんたんに行けそうもなかった。それは、....
「オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
を守らせることにしました。そうして毎晩一度|宛《ずつ》、たべ物と水とを蜘蛛の網の
すき間から入れてもらうのですが、もしちょっとでも口を利いたり歌を唄ったりすると、....
「火の扉」より 著者:岸田国士
奥さんが……始めて……と、もうぐず/\はしていられない。はき物をぬぎすて、障子の
すき間からのぞいてみる。 ――あゝ、やつぱり……。 口の中で思わずそう言つて....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
には夜具が積み重ねられて居たが、向って右の隅に、ゆうに一人の人間がはいれるだけの
すき間があった。彼は、その部分を懇ろに捜したけれども、別にこれという手がかりを発....