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ずれる
「ずれる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
ずれるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
夫は、やがて眠るようにおとなしく気を失って、ひょろひょろとよろめくと見る間に、く
ずれるように胴の間にぶっ倒れてしまった。 漁夫たちは何か魔でもさしたように思わ....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
い眼に涙を要求するのだ。不幸なものたちよ。お前たちが謂《いわ》れもない悲しみにく
ずれるのを見るに増して、この世を淋しく思わせるものはない。またお前たちが元気よく....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
ろんのことだった。そしてそこから四、五間も来たかと思うころ、がたんとかけがねのは
ずれるような音を聞いたので、急ぎながらももう一度後を振り返って見た。しかしそこに....
「小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
こはたかい木立があって、そのむこうに、ふかいみずうみをたたえていました。林をでは
ずれるとすぐ水で、そこまで木のえだがのびているみぎわちかく、帆をかけたまま、大き....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、あるいて行くじぶんの足音もきこえるくらいでしたし、足の下で枯れッ葉のかさこそく
ずれる音もきこえました。一羽の鳥の姿もみえませんでした。ひとすじの日の光も暗い木....
「女客」より 著者:泉鏡花
は下りて、貴女の寝た事は知りながら、今にも濠へ、飛込もうとして、この片足が崖をは
ずれる、背後でしっかりと引き留めて、何をするの、謹さん、と貴女がきっというと確に....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
頃はとにかく、別に今夜は何事もない。頻に気になるのは、大掃除の時のために、一枚は
ずれる仕掛けだという、向うの天井の隅と、その下に開けた事のない隔ての襖の合せ目で....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
トタンに、婦を驚かすまいと思って、夢中で投げたが――驚いたんです、猿ヶ馬場を出は
ずれる峠の下り口。谷へ出た松の枝に、まるで、一軒家の背戸のその二人を睨むよう、濶....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
安岳低。 (露をふくんだ江や山に夜気はさむく、南半球の春と北半球の秋は同じくおと
ずれる。座っているうちに雲が断ち消えて空は拭われたようにはれわたり、明月が高くか....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
東京の片隅、はまぐり料理屋とおもしろいお茶屋にはさまれた狭い品川本通りを一歩は
ずれると、目黒川のほとりに本照寺という小さい古寺がある。池田良栄の仲介で荒川、石....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
いい旦那がついているのに、持って来るはずはない、さ」 「でも、何とやらで、いつは
ずれるか知れたものじゃアない」 「それがいけなけりゃア、また例のお若い人に就くが....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
った花びんがぶつかりあってくずれ落ちる、電気スタンドがころがる、おもちゃの山がく
ずれる、さいごに食堂をかけぬけて、ベッドの売場から洋服ダンスのならんでいるところ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
を思う存分に発揮したので、奇名が忽ち都下に喧伝した。当時朝から晩まで代る代るに訪
ずれるのは類は友の変物奇物ばかりで、共に画を描き骨董を品して遊んでばかりいた。大....
「骸骨館」より 著者:海野十三
」 「やややッ、お助け……ううーン」 あやしい人影は、へたへたと草むらの中にく
ずれるように倒れ、気を失ってしまった。すべて骸骨係の演出がじょうずだったせいであ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ツタのおいしげった古めかしい煉瓦づくりの建物の中にあった。 シムトン会長をおと
ずれると、いかめしい使丁がでてきて、うすぐらい廊下づたいに案内をした。それは大き....