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たった
「たった〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
たったの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
影のようなものは動きはじめ、ぱっと一飛び岸にかけのぼると、たちまち道の中央に突っ
たった。夜は暗く陰鬱ではあったが、この正体不明のものの形はいまや少しはわかった。....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
て暮しをたてていた。夫婦そろってなかなかの稼ぎ屋だったので、世帯をもってしばらく
たった頃には、どうやら小金もできた。ただ、夫婦のなかには、どうしたことか、子宝が....
「狂女」より 著者:秋田滋
で頭が変になってしまったんだね。話はすこし昔にかえるが、この女は二十五の年紀に、
たった一月のうちに、その父親と夫と、生れたばかりの赤ン坊を亡くしてしまったのだっ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
を殺したら?」 私はその子に答えた。 「坊や、ひとりでいるの?」 「ああ」 「
たったひとりで森にいるのかい?」 「ああ」 この子を殺してみたいという慾望が、....
「初雪」より 著者:秋田滋
ことを知らぬではなく、二度と再び春にめぐり遇えると思っているのでもなかった。一年
たった来年の今頃ともなれば、自分の前をいま歩いてゆく同じ人たちが、南国のあたたか....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
戸は直ぐに開きました。が、日本人が中へはいって見ると、そこには印度人の婆さんが
たった一人立っているばかり、もう支那人の女の子は、次の間へでも隠れたのか、影も形....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
。
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頭を刈《か》っている男の横顔。これもしばらく
たった後、大きい針金の環《わ》にぶら下げた何本かのかもじに変ってしまう。かもじの....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
へ幸い主人が帰って来るのです。
主筆 それから?
保吉 それから一週間ばかり
たった後《のち》、妙子はとうとう苦しさに堪え兼ね、自殺をしようと決心するのです。....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
て、風のように舞い上ってしまいました。
二
それから四五日
たったある日のことです。髪長彦は三匹の犬をつれて、葛城山《かつらぎやま》の麓にあ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
している。
「七月×日 俺の大敵は常子である。俺は文化生活の必要を楯《たて》に、
たった一つの日本間《にほんま》をもとうとう西洋間《せいようま》にしてしまった。こ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
何《なん》でも夜更《よふ》けらしかった。僕はとにかく雨戸《あまど》をしめた座敷に
たった一人横になっていた。すると誰か戸を叩《たた》いて「もし、もし」と僕に声をか....
「運」より 著者:芥川竜之介
した。どうぞ一生安楽に暮せますようにと申しましてな。何しろ、その時分は、あの女も
たった一人のおふくろに死別《しにわか》れた後で、それこそ日々《にちにち》の暮しに....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
。その証拠は、やはり今日の戦ですな。烏江《うこう》に追いつめられた時の楚の軍は、
たった二十八騎です。雲霞《うんか》のような味方の大軍に対して、戦った所が、仕方は....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
つ》の名の高い彼の頸《くび》はいかなる権威にも屈することを知らない。ただし前後に
たった一度、ある顔馴染《かおなじ》みのお嬢さんへうっかりお時儀をしてしまったこと....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
》っても、たいていは却《かえ》って機嫌《きげん》をとっていました。もっとも前後に
たった一度、お松がある別荘番の倅《せがれ》と「お」の字町へ行ったとか聞いた時には....