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だれ
「だれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
だれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
調子の重々しい声が聞えた。また、ときには恐ろしい鞭の音がしたが、おそらく先生が、
だれか歩みのおそいものをうながして花咲く学問の道を進ませようとしているのだった。....
「寡婦」より 著者:秋田滋
す。私はよく部屋の窓から、この感傷的な少年が、両手を腰のうしろに※して、首をうな
だれて、淋しそうな足どりで歩いている姿を見かけました。少年は時折り立ちどまって眼....
「初雪」より 著者:秋田滋
えた。そして遥か彼方には、明るい家々が深緑の山肌を、その頂から麓のあたりまで、は
だれ雪のように、斑に点綴しているのが望まれた。 海岸通りにたち並んでいる家では....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
好《い》いな。」――そんな事を云い合う内に、我々はもう風中を先に、狭い店の中へな
だれこんでいた。
店の中には客が二人、細長い卓《たく》に向っていた。客の一人は....
「運」より 著者:芥川竜之介
目のあらい簾《す
だれ》が、入口にぶらさげてあるので、往来の容子《ようす》は仕事場にいても、よく見....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
しんらんしょく》を交えながら、騒音と煙塵《えんじん》とにみちた空気の下に、白くた
だれた目をぎらぎらとブリキのように反射して、石炭を積んだ達磨船《だるまぶね》や白....
「女」より 著者:芥川竜之介
オム》の窓をくぐって、日の光と風との通っている、庚申薔薇《こうしんばら》の枝へな
だれ出した。彼等のある一団は炎暑を重く支えている薔薇の葉の上にひしめき合った。ま....
「河童」より 著者:芥川竜之介
序
これはある精神病院の患者、――第二十三号が
だれにでもしゃべる話である。彼はもう三十を越しているであろう。が、一見したところ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ごうま》の十字を切ろうとした。実際その瞬間彼の眼には、この夕闇に咲いた枝垂桜《し
だれざくら》が、それほど無気味《ぶきみ》に見えたのだった。無気味に、――と云うよ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
に飼っていた犬の鼻が、はっきりと眼の前に見えるような気がした。それは始終|涎《よ
だれ》に濡れた、ちょうど子持ちの乳房《ちぶさ》のように、鳶色《とびいろ》の斑《ぶ....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
た。――その内にふと気がつきますと、どこからか濛々とした黒煙《くろけむり》が一な
だれに屋根を渡って、むっと私の顔へ吹きつけました。と思うと、その煙の向うにけたた....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
もい》のほども申し上げようと、こう思召したのでございましょう。丁度|五月雨《さみ
だれ》の暮方でございましたが、童子を一人御伴に御つれになって、傘《おおかさ》をか....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
をめぐらせた、僧庵《そうあん》とも云いたい拵《こしら》えです。縁先に垂れた簾《す
だれ》の外には、前栽《せんざい》の竹《たか》むらがあるのですが、椿《つばき》の油....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
だと云う事は、一隅に積まれた米俵が、わずかに暗示を与えていた。そこへ前垂掛《まえ
だれが》けの米屋の主人が、「お鍋《なべ》や、お鍋や」と手を打ちながら、彼自身より....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
えて、仄《ほの》かな一盞《いっさん》の燈火《ともしび》の光が、戸口に下げた簾《す
だれ》の隙から、軒先の月明と鬩《せめ》いでいた。襟をつかまれた若者は、ちょうどこ....